SONY α7SIIが予想外に高い理由

December 2015



はじめに


SONYのα7シリーズに興味のある方でしたら、どなたも不思議に思われるでしょう。

なぜα7S IIは、あんなにも高いのかと。


なぜ何でしょう。

恐らく誰もが30万円前後だろうと思いきや、ソニーの公式ネットショップでの新品価格は40万円以上もします。

今回はその謎を解き明かしたいと思います。

結論


それではいつもの通り、先に結論を言ってしまいましょう。

α7SIIの価格が高い理由は、4K動画機能が余りに良過ぎて、自社のカムコーダのマーケットを侵食する事を恐れて高めの設定にしているのです。


他社機との比較


それでは早速α7SIIとそれに関連する機種の市場価格を、アマゾンの広告で調べてみましょう。

他社機と比べると、α7SIIの高さが浮き彫りになります。

         
Nikon D4S   EOS-1D X   EOS 5Ds R     EOS 5Ds     α7SII

上をご覧頂きます様に、α7SIIは価格の順位で5番目になってしまいます。

その前はどんなカメラがあるかと言えば、ニコンとキヤノンのフラッグシップ機であるNikon D4SとEOS-1D X、それに続くのが5000万画素オーバーのEOS 5Ds RとEOS 5Dsだけです。


いずれもミラー付きですので、重くて大きな機種ばかりですが、一方のα7SIIは軽くて小さいミラーレスです。

そして下を見れば、まだまだ錚々(そうそう)たるカメラが続きます。
 
   
EOS 5D Mark III   Nikon Df     α99

他社製カメラと比較して見て頂ければ、α7SIIの値段の高さに驚かれるのではないでしょうか。


α7シリーズとの比較


それでは次に、兄弟機の6台と比べてみましょう

ご存じの様に初代のα7シリーズは2013年以降に順次発売され、現在は2代目に進んでいます。

初代
   

第2世代
   


これらの特徴は、以下の様に非常に分かり易い構成になっています。

モデル 特徴 シャッター速度 常用ISO感度 画素数
α7 標準モデル 30-1/8000, B 100-25,600 2430万画素
α7R 高解像度モデル(ローパスフィルターレス) 30-1/8000, B 100-25,600 3640万画素
α7S 高感度モデル(最高ISO感度409600を実現) 30-1/8000, B 100-102,400 1220万画素
α7II α7の第2世代、5軸手振れ防止、AF速度等改善 30-1/8000, B 100-25,600 2430万画素
α7RII α7Rの第2世代、5軸手振れ防止と画素数アップと4K動画対応 30-1/8000, B 100-25,600 4240万画素
α7SII α7Sの第2世代、5軸手振れ防止と4k録画対応 30-1/8000, B 100-102,400 1220万画素



α7シリーズとの価格分析



それでは、次にα7シリーズ内で価格の分析をしてみます。

アマゾンの新品価格は市場原理が働きますので、ソニーストアの新品価格を元に分析します。

下の表は3機種の新旧(初代と2代目の)価格差を表にしたものです。

α7の価格 α7IIの価格 α7とα7IIとの価格差
134,880円 230,000円 95,120円
α7Rの価格 α7RIIの価格 α7Rとα7RIIとの差
209,333円 438,880円 229,547円
α7Sの価格 α7SIIの価格 α7Sとα7SIIとの差
230,000円 418,880円 188,880円

上の表をご覧頂きます様に、α7の新旧の価格差は9.5万円程度なのに対して、α7Sの新旧の価格差は何と19万円近くもあるのです。

これをグラフにすると以下の様になります。


グラフにすると、α7に比べて、α7Rとα7Sの新旧の価格差が大きい事がより明確に認識できるのではないでしょうか。

α7の新旧差は、外観が多少変わり、5軸手振れ防止に対応した事ですので、この分のコストアップが9.5万円アップの理由と考えられます。


α7とα7IIの外観

ちょっと高い様に思わないでもありませんが、5軸手振れ防止の開発費とその便利さを考慮すれば、この9.5万円アップはまあまあ納得できる所ではないでしょうか。


α7IIの5軸手振れ補正

次にα7Sの新旧の差は、この外観が多少変わり、5軸手振れ防止と新たに4k録画に対応した事くらいです。

だとしますと、第2世代増加分であるこれが19万円から9.5万円アップを引いた9.5万円が、4K録画対応のコストと考えられます。

外観と5軸手振れ防止 9.5万円
4K動画対応 9.5万円
19万円

ですが、これは納得できないのではないでしょうか?

ハード的には特に新たな機構が追加された訳でもないのに、4K録画に対応しただけで10万円近くもアップするとは。

ついでですので、α7RIIも見てきましょう。

α7Sの新旧の価格差は、同じ様に外観が多少変わり、5軸手振れ防止と新たに4k録画に対応した事と、さらに画素数が3600万画素から4200万画素(裏面照射)になった事です。

それで新旧の価格差が23万円ですので、その内訳を同じ様に推定すると以下の様になります。

外観と5軸手振れ防止 9.5万円
画素数変更 4万円
4K動画対応 9.5万円
23万円

画素数アップのコストが少し低い様にも思いますが、いずれにしろ4K動画対応の費用が大きいのは間違いなさそうです。

どうやらここにα7Sが高い理由はこの辺にありそうなのは、ご理解頂けましたでしょうか?




α7Sの4K動画の実力


という訳で、α7Sの4K動画の実力を調べてみました所、とんでもない事が分かりました。

下はα7Sの動画機能に関する宣伝文句です。


α7Sの動画に関する広告

その動画機能を、SONYの4K対応ビデオカメラと比べてみました。

その結果、α7Sの4K動画機能は、コンシューマー向けのハンディーカムより上の、業務(プロ)用のカムコーダに近い性能を持っているのが分かったのです。

例えば、以下のビデオカメラはソニーのハンディーカムの中で一番高いモデル(FDR-AX1)ですが、これにはα7Sの全画素読み出しやピクチャープロファイルやガンマ表示アシスト機能などの機能はありません。


さらに、S-Log2ガンマやS-Gamut、120fps/720pハイスピード撮影、HDMI非圧縮出力にも対応しています。

もしそれらの機能を備えているとしたら、以下の様な業務用のカムコーダになるのです。




すなわちα7Sの4K動画撮影の実力は、プロ用カムコーダと同等レベル(高感度特性などはそれ以上)なのです。


α7Sが高い理由


ここまで読まれたら、もうα7SIIが高い理由は分かって頂けるでしょう。

そうなのです、α7SIIは68万円以上もするカムコーダ並みの4K動画撮影機能を有しているため、それを無視して安く販売する事はできなかったという訳です。

これをもし30万円で販売したら、コンシューマー向けの4Kハンディーカムはおろか、業務用4Kカムコーダのマーケットを侵食する恐れがあるという訳です。

このため、4K録画に対応したため10万円近くもアップしたのです。

もしくは、カメラ事業部からビデオ事業部に4K録画のロイヤルティーとして10万円支払っているのかもしれません。

このため誰も予想をもしなかった40万超円というプライスタグを引っ提げて、α7SII(とα7RII)は発売されたという訳です。

ですが恐らくソニーはまたまた、大失敗をしたと言えます。

先ず短期的に見れば、その様にコストと性能に見合わない製品は誰も買わないという事です。

そして長期的に見れば、自社で自社の製品を超える製品を作らなければ、結局他社がそのパイを取ってしまうという事です。

IPodに負けたウォークマンがその良い例です。

ソニーは早く目を覚まして、早急にα7SIIの値段を下げるべきです。

そもそもデジカメとビデオカメラでは、本体のホール方法が異なる事から、形状も操作性も全く異なります。

仮にα7SIIの価格を下げても、動画の撮影をする人が安易にデジカメに鞍替えする事は決してあり得ません。

更にα7SIIで静止画だけしか撮らない方も、山ほどいらっしゃいます。

その様な方に、(使わない機能のために)無駄に10万円も支払わせて良いのでしょうか?

もし値段を下げなければ、α7SIIは日陰の銘機で終わってしまいます。

さもなければ、4K動画の機能を削除して、より低価格で販売して貰いたいものです。




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