CANONのフルサイズミラーレスは間違いなくEFマウントだ

2017/1:発行
2017/5:改訂
2017/8:改訂



はじめに


いつか出るだろうと思いながら、一向に姿を現さないキヤノンのフルサイズ対応ミラーレス一眼。

ところがここにきて、次期EOS 6Dは従来のEFレンズを使うミラーレス機になるとの噂が、まことしやかに流れてきました。


現行のEOS 6D

キヤノンのフルサイズ一眼レフの中で、最も安いEOS 6Dが、いきなりミラーレス機に変更される可能性は非常に少ないでしょうが、この噂からおぼろげながらキヤノン初のフルサイズ対応ミラーレス一眼の姿が見えてきます。

どんな姿が見えてくるのか、早速お伝えしたいと思います。


基本コンセプト


ご存じの通り一眼レフに対するミラーレス一眼最大のアドバンテージは、光学ファインダーとミラーボックスとAFユニットを取り去った事により小型軽量化できる事です。

  

ですので、もしキヤノンがフルサイズ対応ミラーレス一眼を出すとしたら、先ずは小型軽量で且つ廉価版で登場するのは間違いないでしょう。

ちょうど2013年に発売された世界初のSONYフルサイズ対応ミラーレスが、2400万画素と同時としては極めて平凡で、価格も13万円とリーズナブルな設定でした。

という訳で、キヤノン初のフルサイズ対応ミラーレス一眼は、次期EOS 6Dと同じ基本性能で、それより小型軽量で安い機種になるという訳です。


名称


ところで、本書の中でこれからも”キヤノンのフルサイズ対応ミラーレス一眼”と長い名前を使うのは面倒なので、思い切って名称も先に予想しておきたいと思います。

ご存じの様にAPS-Cサイズ対応ミラーレス一眼は、EOS Mの名称を与えられました。


恐らくMはミラーレス(Mirrorless)のMだと思うのですが、さすがに同じ文字はフルサイズ用には使わないでしょう。

なぜならば、キヤノンの場合数字の桁数が小さいほど高級機という扱いになっているからです。

モデル 最新機種 特徴
EOS-1D EOS-1D X II プロ御用達のフラッグシップ
EOS 5D EOS 5D IV プロ、ハイアマチュア向け高級機
EOS 6D EOS 6D II フルサイズ中/入門機
高精細モデル EOS 5DR 高精細モデル
ニコンのフルサイズ一眼レフの製品番号体系

EOS Mの場合、一桁の数字が通し番号として使われているため、次期フルサイズミラーレスがこの製品番号体系に入る事はないでしょう。

となると”M”の次の”N”も変ですし、”EOS”の名称を変えるとも思えません。

となると昔懐かしい”F”を使って、EOS Fシリーズと勝手に名づけたいと思いますがいかがでしょうか。


初代キヤノン F-1

そしてEOS Fシリーズ最初の機種は、EOS F6と呼びたいと思います。


基本性能


先ほどお伝えしました様に、EOS F6の基本性能は、次期EOS 6Dに準ずるのは間違いないでしょう。

撮像素子を初め、多くのユニットが共有される事でしょう。

現行のEOS 6Dは、発表当時世界最少最軽量のフルサイズ一眼レフで、2020万画素の最高ISO感度25600、最高シャッター速度1/4000でした。

となると、恐らく次期EOS 6Dは、新たに開発された2400万画素の撮像素子とデュアルピクセルCMOS AF機能を搭載するのは間違いないでしょう。

また次期EOS F6は、EOS M5の電子ファインダー(236万ドット)やモニターの可動機構や操作性を流用する可能性も十分あります。

2017/8:追記

2017/5/29にEOS 6D II(2017/8発売)の仕様が公表されました。

それによると、画素数は2620万画素で、デュアルピクセルCMOS AF機能搭載とフルサイズのEOSシリーズ初のバリアングル液晶モニターを搭載するとの事です。



構成


基本性能は誰でも簡単に予想できるとして、最大の問題(謎)はレンズです。

当然ながら、従来のFEレンズは使える様にするのでしょうが、問題はフルサイズミラーレス専用レンズを作るのかどうかという事です。

今後もしフルサイズ対応のミラーレス専用レンズを作らないのであれば、シグマのミラーレス機であるsd Quattroの様に、ボディーのマウント部にフランジバック分のスペースを一体化したボディー形状になります。


ミラーレス機のsd Quattroは、一眼レフ用のレンズを装着するためフランジが付いている

もしフルサイズのミラーレス専用レンズを作るとしたら、α7の様にでっぱりの無いボディーにアダプターを付けて従来のFEレンズを使う事になります。


ミラーレスのα7にマウントアダプタを装着

どちらの可能性が高いかと言えば、将来性を考えると当然後者です。

確かに標準や望遠系レンズの場合、ミラーレス機専用にしても左程大きさが変わらない事はα7のレンズで分かっています。


ミラーレス専用レンズ装着(左)と一眼レフ用レンズ+コンバータ(右)

ですので、EOS F6も割り切って、レンズは従来のFEレンズのみ使う事にしても構わないかもしれません。

ただし広角レンズですと、フランジバックが短い方が設計し易いという利点もありますので、やはり今後専用レンズが装着できる様にアダプターを介してFEレンズを使う事になるとここでは仮定して次に進みます。





レンズマウントは何か?


それでは、フルサイズ対応ミラーレス専用のレンズを作るとして、そのマウントはどうするのでしょう。

ミラーレスと聞いて思い付くのは、EOS Mシリーズ用レンズに使われているEF-Mマウントです。

当然EOS F6にもこのマウントが使われるだろうと、誰もが思うでしょうが、とんでもない間違いなのです。

実はこのEF-Mマウントは、APS-Cサイズまでしか使えないのです。


EF-Mマウントはフルサイズ撮像素子をカバーしていない

上の図は、ソニーのミラーレス用のEマウントと、キヤノンのEF-Mマウントを比べたものです。

ソニーのEマウントは、APS-Cサイズだけでなく、フルサイズもカバーしているにも関わらず、キヤノンのEF-Mマウントは、小型化を優先するためにフルサイズの撮像素子をカバーしていないのです。

これはかなりびっくりの事ではないでしょうか?

と言うより、このマウントを決めたのは、キヤノンの致命的なミスとしか言いようがありません。

ですのでEOS Fシリーズには、EF-Mマウントは使えず、全く新しいマウントを作らなければならないのです。

そして、仮にこのマウントをFE-Fマウントと呼ぶとしたら、このレンズが使えるのはEOS Fシリーズしかないのです。

何故ならばフランジバックの長い一眼レフにはミラーレス専用のEF-Fレンズは使えませんし、マウントサイズが異なるのでEOS Mにも使えません。

おまけにEOS Fシリーズには、EF-Mレンズはマウントサイズが異なるのでどうやっても使えないのです。

これを図に表すと以下の様になります。


キヤノンのレンズ互換性チャート(互換性56%)

上のチャートの青いラインが使用可能、赤いラインが使用できない事を示します。

これをご覧いただきます様にEFレンズはキヤノンの全ての機種に使えますが、フルサイズのEOSの一眼レフにはEFレンズしか使えないのです。

さらにキヤノンユーザーなら既にご存じでしょうが、APS-Cサイズ一眼レフ用のEF-Sレンズも、小型化を優先するために、フルサイズ一眼レフに装着できない仕様になっているのです。

ですので上のチャートでラインの数は16本有るのですが、青いラインは9本で、互換性は56%しかないのです。

これをソニーのレンズ互換性チャートと比べれば、その違いは一目瞭然です。


ソニーのレンズ互換性チャート(互換性75%)

ソニーの場合、さすがにミラーレス用レンズをフランジバックのある一眼レフに装着するのは不可能ですが、それ以外は全て装着可能です。

ですのでラインの数は同じく16本ですが、その内青いラインは12本で、互換性は75%にもなるのです。

もしかしたらAPS-Cサイズ用レンズをフルサイズのカメラに使う意味は無いと思われるかもしれませんが、とんでもない間違いです。

確かにフルサイズのカメラにAPS-Cサイズ用レンズを装着すると、写せる領域が狭くなって画角も変わるのですが、これによって非常に大きなメリットが生まれるのです。

それは、被写界深度が深くなる事です。

詳細はこちらを読んで頂くとして、フルサイズのカメラにAPS-Cサイズ用レンズを装着すると、同じ画角の同じ絞りでありながら、被写界深度は2絞り以上深くなるのです。

ですので奥行のある撮影を行うと断然有利になるのです。

これはどうみてもキヤノンの企画ミスと言うか、信じられないほど先見性の無い対応としか言いようがありません。


どんでん返しの結論


ここまで見ると、キヤノン初のフルサイズミラーレスの興味もかなり冷めてきたのではないでしょうか。

確かに次期EOS 6Dから、光学ファインダーとミラーボックスとAFユニットを外せば小柄なデジカメができ上がるでしょう。

でもそれだけでしかないのです。

なぜならば、専用レンズはEOS Fシリーズにしか使えないし、キヤノンの売れ筋は明らかに一眼レフだとなれば、専用レンズは殆ど作られる事はないでしょう。

仮に作ったとしても、暗いズームレンズを作ってお茶を濁す程度でしょう。

あとはアダプタを介して従来のFEレンズを使うしかありません。

という訳で、ここで大転換です。

キヤノンのフルサイズミラーレスは、レンズフランジバック分のスペースを一体化したボディー形状になります。

そして、使用できるレンズはEFレンズとEF-Sレンズになります。

ですので前述のレンズ互換性チャートは以下の様になります。


キヤノンのレンズ互換性チャート(互換性67%)

これでかなりすっきりしたのではないでしょうか?

恐らくフルサイズミラーレスは、従来のFEマウントにするという決断は、EOS Mが発売される前に下されていたのでしょう。

何故ならば、もしフルサイズ対応ミラーレス専用のレンズを開発するとなれば、EOS Mのマウントはフルサイズに対応できる大きさにしていたからです。

EOS Mの発売に時間が掛かったのも、このフルサイズ対応ミラーレスのマウントをどうするか決定するのに時間が掛かったのかもしれません。

また前述しました様に、FE-Sレンズはフルサイズ対応一眼レフには装着できなかったのですが、フルサイズ対応ミラーレスにはミラーが無いので、装着可能になります。

これによって、ラインが12本に対して、青ラインは8本になりますので、互換性は67%に上がります。

EOS Mの発表時に開示されたキヤノンのプレゼン資料には下の様にカラフルな絵があります。


右側に色の濃いスロープがありますが、この中断にEOS F6が並ぶのもそう遠くは無さそうです。





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