コンパクトデジカメの最新動向

2018/11:発行



はじめに


一昔前、一世を風靡したコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)達はどこへ行ってしまったのでしょう。


数年前のコンデジ売り場

下のチャートをご覧頂きます様に、コンデジの売り上げは2010年をピークに下降の一途を辿っています。


レンズ一体型(青)とレンズ交換式デジカメ(赤)の売り上げ推移

この理由は、スマートフォンのカメラ機能の向上と普及が大きく影響しているのは、ご存じの通りです。

ところがカメラメーカーのHPを覗いてみると、未だに多くのコンデジが見受けられます。

となると、ついつい深追いしたくなるのが本サイトの悪い所で、最近のコンデジの動向を探ってみる事にしました。

安いデジカメを買いたいと思われる方は、参考にして頂ければと思います。


キヤノン


カメラ業界のトップであるキヤノンは、今でもかなりの種類のコンデジを発売しています。

普及クラス



1/2.3型撮像素子を搭載したIXYデジタルとPowerShoto

上の図の様にハイクオリティーズームシリーズの場合、グリップタイプが2台、スリムタイプが3台存在しています。

またスタイリッシュズームシリーズとして、IXYシリーズの3台のモデルがあります。

なお300g超と以下を分けてみると、上図のスリムタイプから下が300g以下になり、これを表にすると以下の様になります。

ブランド PowerShot IXY
重さ\撮像素子 1/2.3型 1/2.3型
300g超 2台 0 2台
300g以下 3台 3台 6台
5台 3台 8台
2017年のキヤノンコンデジのモデル数

これをご覧頂きます様に、普及クラスですと依然300g以下の小型軽量機が台頭していると言えます。

また各モデルの概要説明にもあります様に、主な特徴となるのは光学ズーム比と自撮り、手振れ補正、Wi-Fiだけの様に思われます。

また、いずれも1/2.3型とスマホと同じサイズの撮像素子を搭載しています。

この事から、もはやスマホにコンデジが叶うのは、光学ズーム比だけなのだという事を思い知らされます。


ハイエンドクラス


ただしキヤノンにおいても、最近のコンデジのトレンドである1型以上の大型撮像素子を搭載したモデルをプレミアムシリーズとして2014年から発売しています。




1型の撮像素子を搭載したPowerShot

ただしこの1型の撮像素子を搭載したコンデジにおいては、大きな撮像素子を搭載した事に伴い当然ながら大きく重くなり、300g以下なのは上図中央下のPowerShot G9 X Mark IIの1台だけになります。

これらの5モデルを先ほどの表に追加すると、以下の様になります。

ブランド IXY PowerShot
重さ\撮像素子 1/2.3型 1/2.3型 1型 1.5型
300g以下 3台 3台 1台 0 7台
300g超 0 2台 3台 1台 6台
3台 5台 4台 1台 13台
2017年のキヤノンコンデジのモデル数

ちなみに、コンデジ売り上げのピークだった2008年当時のモデル数は以下の通りです。

ブランド IXY PowerShot
重さ\撮像素子 1/2.5型 1/2.3型 1/1.7型 1/2.5型 1/1.7型
300g以下 3台 3台 1台 6台 0台 13台
300g超 0台 0台 0台 1台 2台 3台
3台 3台 1台 7台 2台 16台
2008年のキヤノンコンデジのモデル数

この二つの表を見比べると、コンデジの知られざる動向が分かります。

先ずコンデジ全体の売り上げは2010年を境に大きく低下(ピークの1/9)したものの、キヤノンにおけるモデル数削減は18%減でしかない。

ただしスマホの撮像素子と同じ小型の1/2.3型や1/2.5型のコンデジのモデル数は、13種類から8種類(61%)に減少した。

さらに、1/2.3型より1.5倍大きな1/1.7型は(明確な優位性が見い出せ無かったためか)完全に姿を消し、代わりに1/2.3型より4倍から9倍も大きな1型や1.5型が台頭してきた。

これから言える事は、1/2.3型撮像素子を搭載したコンデジはズーム比以外、スマホとの差別化を図れなくなってきており、スマホより高画質を求めるには1型以上の撮像素子が必要という事です。


ニコン


続いてはニコンです。

普及クラス


ニコンもCOOLPIXのブランド名で、依然9台もの1/2.3型撮像素子を搭載したコンデジを発売しています。






1/2.3型撮像素子を搭載したCOOLPIX

各モデルの特徴の記述はありませんが、上2段のコンデジについては、やはりズーム比の違いが各モデルの特徴になります。

そして下段は、1/2.3型撮像素子搭載デジカメのもう一つの特徴とも言える防水カメラになります。

ハイエンドクラス


ただしキヤノンとの大きな違いは、2016年に発売を予定していた1型撮像素子を搭載していたDLシリーズの発売を中止した事です。


発売中止となった1型撮像素子を搭載していたNikon DLシリーズ

これは2016年に発生した熊本地震の影響で、予定した撮像素子の入手が遅れたとの理由もあるのですが、ニコンの業績悪化はそれほど深刻なのかと思わずにはいられません。


SONY


普及クラス


続くSONYも1/2.3型撮像素子を搭載したコンデジについては前述の2社と同じ様な状況で、ズーム比と外装が異なるモデルが6台存在します。






1/2.3型撮像素子を搭載したCyber Shot

ハイエンドクラス


ただし大きく違うのは、1型撮像素子を搭載したコンデジを他社に先駆けて2012年に発売し、現在7台も併売されている事です。




1型撮像素子を搭載したSONYのRXシリーズ

これは新旧のモデルによってできる事と値段が異なるため、ラインナップとして共存できる事と、この1型コンデジを早くから発売する事で、一定の市場シェアを確保したためとも言えます。

ですので、(ニコンと異なり)1型コンデジにおいてはSONYとキヤノンが独擅場と言えます。


フジフィルム


フジフィルムは前述の3社と全く異なる対応を取っています。

普及クラス


現在の公式HPを見ると、下の様に数台のFinePixシリーズが表示されていますが、実際に販売しているのはXP120の1台だけです。


一番右がFINEPIX唯一の現行モデルであるXP120

今後は、普及クラスのコンデジ市場から撤退するのは間違いないでしょう。


ハイエンドクラス


またハイエンドクラスとしては、同社のAPS-Cサイズのミラーレス一眼のレンズ固定版とも言えるX100Fを販売しています。


35mmレンズ搭載X100F

APS-Cサイズのミラーレス一眼であるXシリーズと、大判デジカメのGFXシリーズに資源を集中させるのでしょう。


APS-CサイズのXシリーズ


パナソニック



普及クラス


パナソニックの1/2.3型撮像素子を搭載したコンデジは現在4機種存在しています。




この内、300g以下の機種はDMC-TZ85だけになります。

これらも高倍率が売りなのですが、LUMIXにおけるもう一つの特徴は4K動画と、その動画からの切り出しである4Kフォトが撮れる事です。

これによって800万画素の高速連写が可能になる事から、下の様な画像が撮れる事をアピールしています。


4K動画から切り出せれた写真

また1型撮像素子を搭載したコンデジは、以下の3機種があります。



特徴としては、左から一眼レフスタイルの20倍倍ズーム、レンジファインダースタイルの10倍ズーム、同じくレンジファインダースタイルでF1.4の明るい3倍ズーム機で、普及クラスと同様に全機種4K動画が売りになります。

そして最後が、4/3(フォーサーズ)型の撮像素子を搭載してマニュアル操作で3.1倍ズームのLX100となります。


ただし内蔵フラッシュは搭載していません。

オリンパス


オリンパスは潔く一般的なコンパクトデジカメ市場からは完全に撤収しました。

その代わりと言っては何ですが、1/2.3型撮像素子を搭載した防水カメラを発売しています。


上にある、明るいレンズを搭載したTGシリーズより、下のTG-870の方が人気なのですが、どうも生産計画を間違えたのか、あるいは主要部品の調達が困難になったのか、2017年の夏より生産中止になっています。


本機は防水カメラにも関わらずモニター可変で、一度使ったら他は使えません。


まとめ


それではまとめです。

1. スマホの台頭により市場は小さくなったとは言え、コンパクトデジカメは依然健在である。

2. ちなみに1/2.3型撮像素子を搭載したコンパクトデジカメは、①モニター可変、②高倍率ズーム、③内蔵フラッシュ、④電子ファインダー、⑤大口径レンズ、⑥4Kフォト、⑦防水性能を備える事で、スマホとの差別化を図っている。

3. 一方従来あった1/1.7型撮像素子は姿を消し、さらに大きな1型、4/3(フォーサーズ)サイズ、1.5インチサイズ、APS-Cサイズの撮像素子を搭載したコンデジが誕生している。






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