デジカメのダイナミックレンジ
(RAWファイルの本当のメリットとは?)



 はじめに
 結論

 初級編
  1) ダイナミックレンジとは 

  2) 日常光のダイナミックレンジ
  3) デジカメのダイナミックレンジ
  4) ラチチュードとは
  5) 写真のダイナミックレンジ
  6) デジカメのダイナミックレンジと写真の関係
  7) モニターのダイナミックレンジ
  8) JPEGファイルとは
  9) 初級編のまとめ

 中級編
  10) RAWフォーマットの利点とは

  11) JEPGとRAWファイルの明度調整
  12) ダイナミックレンジの広い画像
  13) ダイナミックレンジと撮像素子の関係

 上級編
  14) 画素数とダイナミックレンジが反比例する事の証明

  15) デシベルと絞り値の換算表
  16) ラチチュード(許容範囲)の値
  17) ダイナミックレンジ補正

 まとめ
 寸評の答え
 予告編


10) RAWファイルの利点とは


初級編では、デジカメのダイナミックレンジと写真の関係について述べました。

中級編では、RAWファイルとその活用方法について述べたいと思います


それではいよいよRAWファイルの説明です

デジカメのメニュー画面をスクロールしていくと、画質モードの中にRAWという項目が出てきます。


NIKONの画質モード設定画面

そして説明文には以下の様に書かれています。

メーカ ニコンの説明
NIKON 撮像素子の生データを未現像の状態で記録します。
撮影時に設定したホワイトバランスやコントラストなどを、撮影後に変更できます。
CANON 撮像素子から出力されたデータをデジタル変換してそのまま記録した生データ。
RAWデータは、専用の現像ソフトによって、使用目的に応じて様々な画像調整を行いJPEG画像として保存できます。。
なおRAWデータそのものは何も変化しませんので、現像条件を変えたJPEGを何枚でも作る事ができます。
SONY デジタル処理などの加工をしていないファイル形式。
専門的な用途に合わせて、パソコンで加工するときに選ぶ。
画像サイズは常に最大サイズで固定され、画面には画像サイズは表示されない


この説明文を読む限り、後でパソコンを使って加工ができるのと、容量がデカそうなのは分かるのですが、メリットが全く分かりません。

なぜならば多少の画像調整は、JPEGファイルでも可能だからです。

一体RAW画像にする本質的なメリットは何なのでしょう?

そこで登場するのが、ダイナミックレンジです。

下の図でデジカメのダイナミックレンジは70dBとありますが、この70dBのダイナミックレンジが全て入った画像データは、実はRAWファイルにしか存在していないので。


そう聞くと、JPGファイルにも入っているだろうと思われるかもしれませんが、初級編でご説明した通り実際はダイナミックレンジ両端の明部と暗部の大部分はカットされて保存されているのです。




その証拠と言っては何ですが、以下の様なRAWファイル現像ソフトの説明書を見た事はありませんか?

RAWファイル現像機能の主な設定項目
(SONYの現像ソフトImage Data Converterの抜粋)
設定 説明 設定可能範囲
明るさ テキストボックスに明るさ値(-2.0EVから+2.0EV)を入力するか、スライダーを左右にドラッグして明るさを調整します。逆光の人物や雪景色で撮影した画像を調整するにはスライダーを右にドラッグ、画面いっぱいに黒い被写体を撮影した画像を調整するには左にドラッグすると効果的です。
また、左右の-、+ボタンをクリックすることにより、1/3単位で数値が増減します。
-2.0EV~+2.0EV
(1/3EVステップ)


上の説明を見ると、画像の明るさを調整するとあります。

ですが、JPEGファイルであっても画像ソフトを使えば明るさはいくらでも変えられます。

ただしJPEGファイルの場合、真っ黒になった箇所をいくら明るくしても、埋もれた画像は出てきません。

また、真っ白になった箇所をいくら暗くしても、飛んでしまった画像は出てきません。

しかしながらRAWファイルを増感/減感すると、その部分の見えなかった画像が再現されるのです

早速その画像を見てみましょうと言いたい所ですが、それは次の項に回して、話を続けます。

次にRAWファイル現像ソフトで変更できる明るさの設定可能範囲は、-2.0EV~+2.0EVとあります。

一方いつものダイナミックレンジのチャートを見ると、デジカメのダイナミックレンジが70dBでJPEGファイルのダイナミックレンジが40dBですので、デジカメのダイナミックレンジにはJPEGファイルには入っていない上下に20dBの画像データがある事になります。



この20dBをEV値に変換すると、上のチャートの様にうまい具合にに2.5EVになります。

という事は、通常のJPG画像は明部と暗部のデータの大部分のデータは使われないで削除されていて、RAWファイル現像ソフトによって再現されるという事の裏付けになります。

また、ついでにRAWファイル現像ソフトにおけるダイナミックレンジの調整についても、ここで触れておきましょう。

以下は、FUJIFILM のRAWファイル現像ソフトのダイナミックレンジに関する説明文です。

RAWファイル現像機能の主な設定項目(FUJIFILM X-E2マニュアルからの抜粋)
設定 説明 設定可能範囲
ダイナミックレンジ 画像の明暗差(白とびから黒つぶれまで)を拡大/縮小します。
晴天時など、明暗差の大きい被写体やコントラストの高い被写体、また白い被写体などは数値を高く(200%・400%など)すると効果的です。

曇りの場合など、明暗差が少ない・コントラストが低い場合は、数値を低く(100%)するとメリハリのついた画像になります。
100%, 200%, 400%


上の説明文に、ダイナミックレンジの数値を高くすると画像の明暗差を拡大するとありますので、これからも通常のJPEG画像は両端の明部と暗部は削除されている事が伺えます。

ここに設定可能範囲として100%、200%、400%とあります。

当然ながら200%は100%の2倍で、400%は100%の4倍です

そしてこの2倍をdBで表すとちょうど6dBになり、4倍をdBで表すと12dBになります。

ですので100%のダイナミックレンジが40dBだとすると、200%のダイナミックレンジは46dB、400%は52dBのダイナミックレンジになるという訳です。

70dBまでにはまだまだ余裕がありますが、これ以上ダイナミックレンジを上げると画像が不自然なほど軟調になるのでしょう。

どんな画像になるかは、これからお見せしたいと思います。







10) RAWファイルの利点とは

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9) 初級編のまとめ

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11) JEPGとRAWファイルの明度調整





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