デジカメのダイナミックレンジ
(RAWファイルの本当のメリットとは?)



 はじめに
 結論

 初級編
  1) ダイナミックレンジとは 

  2) 日常光のダイナミックレンジ
  3) デジカメのダイナミックレンジ
  4) ラチチュードとは
  5) 写真のダイナミックレンジ
  6) デジカメのダイナミックレンジと写真の関係
  7) モニターのダイナミックレンジ
  8) JPEGファイルとは
  9) 初級編のまとめ

 中級編
  10) RAWフォーマットの利点とは

  11) JEPGとRAWファイルの明度調整
  12) ダイナミックレンジの広い画像
  13) ダイナミックレンジと撮像素子の関係

 上級編
  14) 画素数とダイナミックレンジが反比例する事の証明

  15) デシベルと絞り値の換算表
  16) ラチチュード(許容範囲)の値
  17) ダイナミックレンジ補正

 まとめ
 寸評の答え
 予告編


13) ダイナミックレンジと撮像素子の関係


今まではデジカメのダイナミックレンジを70dBという事で話を進めてきましたが、実はそれ以上の機種もあれば、当然それ以下の機種もあるでしょう。

それらは、単に値段の違い、或いは性能の違いなのでしょうか?

どなたもダイナミックレンジが広い方が、性能が良いデジカメと思われるかもしれませんが、実はそれも間違いです。

確かに他の条件が全く同じならば、ダイナミックレンジが大きい方が良いのですが、世の中そう単純にはいかないのです。

と言うのは、もし同じ大きさの撮像素子であれば、画素数が大きいデジカメのダイナミックレンジは狭く、画素数が少ないデジカメのダイナミックレンジは広いのです。


その理由は簡単です。

画素数が少ないと、当然ながら1個の受光素子が大きくなります。

という事は、少ない光でも十分検知できますので、感度が上がりより広範囲の光を集める事ができるという訳です。

すなわち、画素数とダイナミックレンジはトレードオフの関係にあるのです。

これをまとめると、以下の様になります。

①撮像素子の大きさが同じでれば、画素数が小さいほど、感度は良くなりダイナミックレンジは広くなる。

②画素数とダイナミックレンジは反比例するので、単純にダイナミックレンジのみ比較するのは意味が無い。





従来の説明はここまでだったのですが、中級編ですので、もう少しこの話を掘り下げてみたいと思います。

具体的には、1画素の大きさが同じ撮像素子でダイナミックレンジを広くするにはどうすれば良いか、考えてみたいと思います。

先ず明るい方にダイナミックレンジを広げる方法ですが、現在一般的なC-MOS撮像素子の場合、1画素毎に付いているコンデンサーの容量を大きくしてやれば良いのです。


C-MOS撮像素子の1画素

上の回路図で言えば、丸印のコンデンサーの容量を大きくしてやれば、その分光の電荷を多く溜める事ができますので、強い光が入っても飽和せずにいられます。

ただしコンデンサーをいくらでも大きくできる訳ではなく、物理的には1画素のサイズを超える事ができませんので、相対的に見れば1画素のサイズが大きいほど有利と言えます。

ですので、結局の所1画素のサイズが大きければ、明るい方向のダイナミックレンジは良いというお決まりの結論に至ってしまいます。

次に暗い方のダイナミックレンジですが、これは多少手があります。

ご存じの様に現在民生用のデジカメでさえ、ISO感度は最大で3,280,000(NIKON D5)まで達していますが、実際に撮ってみるとノイズだらけの画像になります。


感度が上がればノイズが増える(F2.8 1秒 ISO160,000)

ですので、1画素のサイズが大きいほど暗闇に有利なのは間違いありませんが、それと共にいかにしてノイズを減らせるかも重要な要素になります。

具体的には、C-MOS撮像素子の場合でしたら、ランダムノイズに起因するリセットノイズ、ゆらぎノイズ、アンプの熱ノイズ、暗電流を抑えれば暗い方のダイナミックレンジを広げる事が可能になります。

デジカメのダイナミックレンジが公表されないのは、このノイズレベルを定量的に測定する方法が確立されていないからなのかもしれません。







13) ダイナミックレンジと撮像素子の関係

戻る

12) ダイナミックレンジの広い画像

次へ

14) 画素数とダイナミックレンジが反比例する事の証明





Copyright (c) 2015 Photo Cafeteria
This site is link free.

ご意見/ご感想等ありましたら是非こちらに。
Your response would be highly appreciated.




ホーム頁へ戻る