SONY系ストロボにおけるワイヤレスストロボの互換性

2017/08:発行
2018/11:更新



はじめに


ワイヤレスで多灯ストロボを使うと、子機のストロボは古いタイプでも十分機能する事が分かってきます。


3500Xi 3600HSD HVL-F42AM 5600HSD HVL-F56AM HVL-F58AM HVL-F60M

それはSONYのαシーリズのデジカメを使っているユーザーも同じ事でしょう。

何しろガイドナンバーはそれほど違わないのに、古ければ古いほど新品よりかなり安く買えるのですから。

ただしSONYのデジカメの場合、古くはミノルタ製だったり、コニカミノルタ製だったりと、ワイヤレスストロボがどの時代までの機種まで遡って使えるのか、今一つはっきりしません。

       

という訳で、本書では古いミノルタ製ストロボとコニカミノルタ製ストロボ、それにSONY製のストロボを一堂に用意して、ワイヤレスストロボに関して互換性の確認を行ってみました。


最新のSONY製デジカメで、ミノル時代のストロボを使えるのか?

もし古いSONY系のストロボをご検討中の方は、是非参考にして下さい。

なお本書では、下の表にあります様に、ミノルタとコニカミノルタ製のストロボをミノルタ系と呼び、ミノルタ、コニカミノルタ、SONY製のストロボを一括してSONY系と呼ぶ事にします。

年代 ブランド名 呼び名 呼び名
2003年以前 ミノルタ ミノルタ系 SONY系
2003~2006年 コニカミノルタ
2006年以降 SONY SONY製


系譜


本題に入る前に、簡単にSONY系ストロボの機種を年代毎にまとめておきたいと思います。

ミノルタのメカ式のカメラの時代はさておき、一世を風靡した世界初となるAFカメラのα-7000の発売が1985年ですので、それから既に30年以上が経過しています。


世界初のAFカメラ、ミノルタα-7000

その間フィルムカメラが徐々にデジタルに以降し、その荒波に対処するため2003年にコニカとミノルタが経営統合し、2006年にはついにコニカミノルタのカメラ事業がSONYに吸収されました。

そんな時代背景の中で生産販売されたストロボは、以下の様になります。

SONY系ストロボの系譜と互換性と中古相場(2017年)
ブランド 中型ストロボ 中古
相場
大型ストロボ 中古
相場
ミノルタ 1994 3500Xi 0.5k 5400HS 1k
~
2001
2002 3600HS(D) 3.5k 5600HS(D) 4k
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM 6k HVL-F56AM 12k
2007
2008 HVL-F42AM 10k HVL-F58AM 22k
2009
2010
2011 HVL-F43AM 15k
2012 HVL-F60M
(アクセサリーシュー変更)
35k
2013 HVL-F43M
(アクセサリーシュー変更)
25k
2014
2015
2016
2017
TTLストロボ可能:緑色  TTLストロボ不能:黄色

この中で2002年発売の3600HS(D)と5600HS(D)以降のストロボでしたら、SONYのデジタル一眼に装着してTTLストロボ撮影が可能です。

また、2012年に発売されたHVL-F60Mと2013年に発売されたHVL-F43Mからアクセサリーシューの形状が、オートロックアクセサリーシューからマルチインターフェースシューに変更になっています。


新しいマルチインターフェースシュー(左)と古いオートロックアクセサリーシュー(右)

このため、異なるアクセサリーシューのストロボを使う場合、変換用のシューアダプタが必要になります。

 

凡その概要を掴んで頂いた所で、次からはいよいよワイヤレスストロボの互換性について調べていきます。

フィルム用一眼レフでワイヤレス同調するストロボ


今更フィルム用一眼レフでワイヤレスストロボをする機会も無いでしょうが、折角ですので(実は後程お伝えするとある下心のために)、確認しておきたいと思います。

使用した一眼レフは、フィルム用の最終形とも言えるミノルタのα-7で、ワイヤレスストロボの親機となるストロボはα-7の内蔵ストロボです。


親機となるミノルタ最後のフィルム一眼レフとも言えるα-7とその内蔵ストロボ

この内蔵ストロボを発光し、ワイヤレスモードの子機に設定した上記ストロボが、同調するかどうか試してみました。

その結果、以下の4台が同調しました。

3500Xi、3600HS(D) HVL-F56AM、5600HS(D)、5400HS

また以下の4台は同調しませんでした。

HVL-F42AM、HVL-F58AM、HVL-43M、HVL-F60M

これを先ほどの年表で色分けすると、以下の様になります。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~
2001
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009
2010
2011 HVL-F43AM
2012 HVL-F60M
2013 HVL-F43M
2014
2015
2016
2017
同調する:黄色  同調しない:緑色

なお生憎上記表にあるHVL-F36AMとHVL-43AMは準備できなかったのですが、HVL-36AMは3600HS(D)と中身は同じですので”同調する”、HVL-43AMはHVL-42AMとHVL-F43Mの間に位置しているので”同調しない”に分類しています。

上の表をご覧頂きます様に、結論としては2008年以降のストロボについては、ミノルタ及びコニカミノルタのフィルム用一眼レフを使ってのワイヤレスストロボはできなくなった様です。

なおもう一つここで重要なのは、フィルムカメラのα-7で2002年以前のストロボもワイヤレス同調できたという事です。



SONY製デジカメでワイヤレス同調するストロボ


それでは次に、SONYのデジタル一眼でワイヤレス同調できるストロボを調べてみます。

今回の確認では、α6300に装着したHVL-43Mを親機として使用しています。

この場合、ストロボの設定を変える事によって、CNT+とCNTの2通りの親機のモードを選択できます。

この二つのモードがどう異なるのか、実際に試してみたいと思います。


【CNT+】


先ずCNT+にして同調試験を行った結果が、以下になります。

CNT+モードのワイヤレス同調確認結果
ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~
2001
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009
2010
2011 HVL-F43AM
2012 HVL-F60M
2013 HVL-F43M
2014
2015
2016
2017
同調しない:黄色  同調する:緑色

今度は先ほどと違って、同調するのを緑色で、同調しないのを黄色にしています。

すると、先ほどと同じ配色になっています。

すなわち、2007年と2008年を境目に、SONY系ストロボにおけるワイヤレスストロボの互換性は失われたという事です。

ですが、完全に絶たれたかと言えば、そうでもありません。


【CNT】


次に、先ほどご紹介していました親機のストロボを、CNT+からCNTに変更して、再度ワイヤレス同調試験を行ってみます。

すると以下の様な結果になりました。

CNTモードのワイヤレス同調試験結果
ブランド 中型ストロボ 中古
相場
大型ストロボ 中古
相場
ミノルタ 1994 3500Xi 0.5k 5400HS 1k
~
2001
2002 3600HS(D) 3.5k 5600HS(D) 4k
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM 6k HVL-F56AM 12k
2007
2008 HVL-F42AM 10k HVL-F58AM 22k
2009
2010
2011 HVL-F43AM 15k
2012 HVL-F60M 35k
2013 HVL-F43M 25k
2014
2015
2016
2017
同調しない:黄色  同調する:緑色

これをご覧頂きます様に、同調するストロボが2002年のモデルまで遡(さかのぼ)る事ができました。

だったら常にCNTのモードで使えば良い、と思われるでしょう。

ですが、そこに一つ問題があるのです。

CNT+のモードの場合、3グループのストロボで光量比制御のワイヤレスストロボ撮影が可能なのですが、CNTの場合でしたら2グループしか制御できないのです。

このため、どうしても2002年~2007年のストロボを子機として使用したい場合は、2グループのストロボでの光量比制御になります。

ただし台数の制限はありませんので、2グループでそれこそ10台で使用する事は可能です。

ですので、とにかくストロボの数を多くして撮影したいのでしたら、安い2002年~2007年のストロボを用意するのが良いかもしれません。


まとめ


さてまとめです。

SONYのデジタル一眼でワイヤレスストロボの子機に使えるのはどれかとなると、以下の通りです。

黄色
子機に使えない。
赤色 2グループ(CNT)の子機として使用可能。
緑色 3グループ(CNT+)の子機として使用可能。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~
2001
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009
2010
2011 HVL-F43AM
2012 HVL-F60M
2013 HVL-F43M
2014
2015
2016
2017

本書がお役に立てば幸いです。

と、通常でしたらこれで終わるのですが、本書は違います。

本題はこれからです。


ミノルタ時代のストロボはどうしてもワイヤレス発光できないのか?


前述のまとめの表を眺めていると、何か不思議に思われませんでしょうか?

ミノルタ時代の古いストロボである3500xiや5400HSは、なぜSONYのデジタル一眼でワイヤレス同調できないのか?

なぜならば下の図の様に、フィルム一眼レフのストロボを親機にすれば、同じ光信号でミノルタ時代だけではなく、SONY製ストロボも同様にワイヤレス同調できるからです。


今までに分かったミノルタとSONYのワイヤレス発光の互換性

だったら、ミノルタ時代の3500xiと5400HSをワイヤレス同調させる手立てもあるかもしれません。


SONYのデジタル一眼にHVL-F43Mを装着した場合、5400HSをワイヤレス同調できない

そこで思いついたのが、5400HSの次期種である5600(D)を親機にして、子機の5400HSをワイヤレス発光させようという訳です。


SONYのデジタル一眼に5600(D)を装着して、5400HSをワイヤレス同調できないか?

という訳で、早速試してみましたのですが、ダメでした。

具体的には、先ず5600(D)をワイヤレスのコントロールモード(親機モード)にしてα7R IIに装着します。

そしてα7R IIの電源をONします。

すると、α7R IIのワイヤレス設定に関わらず、下の写真の様にワイヤレスのコントロールモード(親機モード)が勝手に解除されてしまうのです。


5600(D)をワイヤレスのコントロールモード(親機モード)にしても解除されてしまう

次に、α7R IIが電源ONの状態で、5600(D)を操作してコントロールモードに設定しても、一瞬"control"の文字が表れものの、すぐまた解除されてしまうのです。

という訳で、どうやっても5400HSや3500xiをワイヤレスストロボの子機として使う事はできない様です。

推測ですが、恐らくSONYのデジカメが5600(D)の装着を検知したら、5600(D)に対して親機の設定ができない信号を出しているのでしょう。

となると、どうしてもミノルタ時代のストロボである3500Xiや5400HSはSONYのデジカメでは使えないのでしょうか?


ミノルタ時代のストロボもSONY製デジカメで使える


いえいえそんな事はありません。

確かにミノルタ時代のストロボをSONYのデジカメに装着しても、TTLストロボは使えないのですが、マニュアルストロボでしたら使用可能です。

デジカメの場合、撮った画像を即確認できますので、(フィルム時代の様にガイドナンバーの計算無しに)撮った画像を見ながらストロボの発光量を調整すれば、画像を適正露出にする事は簡単にできます。

また面白い事に、ストロボのオートズーム機能は依然互換性がある様で、SONYのデジカメのズームリングを回すと、ミノルタ時代の古いストロボのズーム機構も一緒に動きますし、デジカメと連動してストロボ側の電源もON/OFFされます。

また知らない方も多いのですが、SONY製の一眼レフ(α77、α99等)でしたら、AF補助光も発光します。

ですので、ミノルタ時代の古いストロボをSONYのデジカメに装着して使う事は十分可能言えます。

という事で、本情報は多少なりともお役に立ちましたでしょうか?





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