SONY系ストロボのワイヤレスフラッシュの互換性

2017/08



はじめに


SONYのデジタル一眼を使用されていて、古いミノルタ製のストロボを使いたいと思われている方も多いのではないでしょうか。


3500Xi 3600HSD HVL-F42AM 5600HSD HVL-F56AM HVL-F58AM HVL-F60M

何しろガイドナンバーも機能もそれほど違わないのに、古ければ古いほど新品よりかなり安く買えるのですから。

       

ネットで調べると、2002年以降のミノルタ製ストロボであれば、クリップオンにすればTTLフラッシュが使えると書かれているのですが、最近流行のワイヤレスフラッシュの子機としても使えるのかどうかが分かりません。


またクリップオンでもTTLフラッシュが使えない2002年以前のストロボがワイヤレスで使えるとなると、零細写真家においてその経済効果は計り知れません。

という訳で、本書では古いミノルタ製ストロボとコニカミノルタ製ストロボ、それにSONY製のストロボを一堂に用意して、ワイヤレスフラッシュに関して互換性の確認を行ってみました。

もし古いストロボをご検討中の方は是非参考にして下さい。

なお本書では、下の表にあります様に、ミノルタとコニカミノルタ製のストロボをミノルタ製と呼び、ミノルタ、コニカミノルタ、SONY製のストロボを一括してSONY系と呼ぶ事にします。

年代 ブランド名 呼び名 呼び名
2003年以前 ミノルタ ミノルタ製 ソニー系
2003~2006年 コニカミノルタ
2006年以降 SONY -


系譜


本題に入る前に、簡単にSONY系ストロボの系譜を辿っていきたいと思います。

興味が無ければスキップして頂いて結構です。

ミノルタのメカ式のカメラの時代はさておき、一世を風靡した世界初となるAFカメラのα-7000の発売が1985年ですので、それから既に30年以上が経過しています。


世界初のAFカメラ、ミノルタα-7000

その間フィルムカメラが徐々にデジタルに以降し、その荒波に対処するため2003年にコニカとミノルタが経営統合し、2006年にはついにコニカミノルタのカメラ事業がSONYに吸収されました。

そんな時代背景の中で生産販売されたストロボは、以下の様になります。

ブランド 中型ストロボ 相場 大型ストロボ 相場
ミノルタ 1994 3500Xi 0.5k 5400HS 1k
~
2001
2002 3600HS(D) 3.5k 5600HS(D) 4k
コニカ
ミノルタ
2003
2004
2005
SONY 2006 HVL-F36AM 6k HVL-F56AM 12k
2007
2008 HVL-F42AM 10k HVL-F58AM 22k
2009
2010
2011 HVL-F43AM 15k
2012 HVL-F60M 35k
2013 HVL-F43M 25k
2014
2015
2016
2017

なお既にお伝えしております様に、この中で2002年発売の3600HS(D)と5600HS(D)以降のストロボでしたら、SONYのデジタル一眼に装着してTTLフラッシュ撮影が可能です。

また、2012年に発売されたHVL-F60Mと2013年に発売されたHVL-F43Mからアクセサリーシューの形状が変更になっています。異なるアクセサリーシューのストロボを使う場合、変換用のシューアダプタが必要になります。


フィルム用一眼レフでワイヤレス同調するストロボ


それではいよいよSONY系ストロボにおいてワイヤレスフラッシュの互換性を確認してみます。

今更フィルム用一眼レフでワイヤレスフラッシュをする機会も無いでしょうが、折角ですので(実はとある下心のために)、確認しておきたいと思います。

使用した一眼レフは、フィルム用の最終形とも言えるミノルタのα-7で、ワイヤレスフラッシュの親機となるストロボはα-7の内蔵ストロボです。


親機のミノルタのα-7と内蔵ストロボ

この内蔵ストロボを発光し、ワイヤレスモードの子機に設定した上記ストロボが、同調するかどうか試してみました。

その結果、以下の4台が同調しました。

3500Xi、3600HS(D) HVL-F56AM、5600HS(D)、5400HS

また以下の4台は同調しませんでした。

HVL-F42AM、HVL-F58AM、HVL-43M、HVL-F60M

これを先ほどの年表に入れると、以下の様になります。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~ 3500Xi 5400HS
2001 3500Xi 5400HS
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003 3600HS(D) 5600HS(D)
2004 3600HS(D) 5600HS(D)
2005 3600HS(D) 5600HS(D)
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007 HVL-F36AM HVL-F56AM
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009 HVL-F42AM HVL-F58AM
2010 HVL-F42AM HVL-F58AM
2011 HVL-F43AM HVL-F58AM
2012 HVL-F43AM HVL-F60M
2013 HVL-F43M HVL-F60M
2014 HVL-F43M HVL-F60M
2015 HVL-F43M HVL-F60M
2016 HVL-F43M HVL-F60M
2017 HVL-F43M HVL-F60M
同調する:黄色
同調しない:黄緑

なお生憎上記表にあるHVL-F36AMとHVL-43AMは準備できなかったのですが、HVL-36AMは3600HS(D)と中身は同じですので”同調する”、HVL-43AMはHVL-42AMとHVL-F43Mの間に位置しているので”同調しない”に分類しています。

上の表をご覧頂きます様に、結論としては2008年以降のストロボについては、ミノルタ及びコニカミノルタのフィルム用一眼レフを使ってのワイヤレスフラッシュはできなくなった様です。

なおもう一つここで重要なのは、α-7で2002年以前のストロボもワイヤレス同調できたという事です。



SONY製デジカメで同調するストロボ


それでは次に、SONYのデジタル一眼でワイヤレス同調できるストロボを調べてみます。

今回の確認では、α6300に装着したHVL-43Mを親機として使用しています。

この場合、ストロボの設定を変える事によって、CNT+とCNTの2通りの親機のモードを選択できます。

この二つのモードがどう異なるのか、実際に試してみたいと思います。

【CNT+】


先ずCNT+にして同調試験を行った結果が、以下になります。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~ 3500Xi 5400HS
2001 3500Xi 5400HS
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003 3600HS(D) 5600HS(D)
2004 3600HS(D) 5600HS(D)
2005 3600HS(D) 5600HS(D)
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007 HVL-F36AM HVL-F56AM
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009 HVL-F42AM HVL-F58AM
2010 HVL-F42AM HVL-F58AM
2011 HVL-F43AM HVL-F58AM
2012 HVL-F43AM HVL-F60M
2013 HVL-F43M HVL-F60M
2014 HVL-F43M HVL-F60M
2015 HVL-F43M HVL-F60M
2016 HVL-F43M HVL-F60M
2017 HVL-F43M HVL-F60M
同調しない:黄色
同調する:黄緑

今度は先ほどと違って、同調するのを黄緑で、同調しないのを黄色にしています。

すると、先ほどと同じ配色になっています。

すなわち、2007年と2008年を境目に、SONY系ストロボのワイヤレスフラッシュの互換性は失われたという事です。

ですが、完全に絶たれたかと言えば、そうでもありません。

【CNT】


次に、先ほどご紹介していました親機のストロボを、CNT+からCNTに変更して、再度ワイヤレス同調試験を行ってみます。

すると以下の様な結果になりました。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~ 3500Xi 5400HS
2001 3500Xi 5400HS
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003 3600HS(D) 5600HS(D)
2004 3600HS(D) 5600HS(D)
2005 3600HS(D) 5600HS(D)
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007 HVL-F36AM HVL-F56AM
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009 HVL-F42AM HVL-F58AM
2010 HVL-F42AM HVL-F58AM
2011 HVL-F43AM HVL-F58AM
2012 HVL-F43AM HVL-F60M
2013 HVL-F43M HVL-F60M
2014 HVL-F43M HVL-F60M
2015 HVL-F43M HVL-F60M
2016 HVL-F43M HVL-F60M
2017 HVL-F43M HVL-F60M
同調する:黄色
同調しない:黄緑

これをご覧頂きます様に、同調するストロボが2002年のモデルまで遡(さかのぼ)る事ができました。

だったら常にCNTのモードにすれば良いと思われるでしょう。

ですが、そこに一つ問題があるのです。

CNT+のモードの場合、3グループのストロボで光量比制御のワイヤレスフラッシュ撮影が可能なのですが、CNTの場合でしたら2グループしか制御できないのです。

このため、どうしても2002年~2007年のストロボを子機として使用したい場合は、2グループのストロボでの光量比制御になります。

ただし台数の制限はありませんので、2グループでそれこそ10台で使用する事は可能です。

ですので、とにかくストロボの数を多くして撮影したいのでしたら、安い2002年~2007年のストロボを用意するのが良いかもしれません。


まとめ


さてまとめです。

SONYのデジタル一眼でワイヤレスフラッシュの子機に使えるのはどれかとなると、以下の通りです。

黄色
子機に使えない。
赤色 2グループの子機として使用可能。
緑色 3グループの子機として使用可能。

ブランド 中型ストロボ 大型ストロボ
ミノルタ 1994 3500Xi 5400HS
~ 3500Xi 5400HS
2001 3500Xi 5400HS
2002 3600HS(D) 5600HS(D)
コニカ
ミノルタ
2003 3600HS(D) 5600HS(D)
2004 3600HS(D) 5600HS(D)
2005 3600HS(D) 5600HS(D)
SONY 2006 HVL-F36AM HVL-F56AM
2007 HVL-F36AM HVL-F56AM
2008 HVL-F42AM HVL-F58AM
2009 HVL-F42AM HVL-F58AM
2010 HVL-F42AM HVL-F58AM
2011 HVL-F43AM HVL-F58AM
2012 HVL-F43AM HVL-F60M
2013 HVL-F43M HVL-F60M
2014 HVL-F43M HVL-F60M
2015 HVL-F43M HVL-F60M
2016 HVL-F43M HVL-F60M
2017 HVL-F43M HVL-F60M

本書がお役に立てば幸いです。

と、通常でしたらこれで終わるのですが、本書は違います。

本題はこれからです。


本題


前述のまとめの表を眺めていると、何か不思議に思われませんでしょうか?

ミノルタの古いストロボである3500xiや5400HSは、なぜSONYのデジタル一眼でワイヤレス同調できないのか?

なぜならば下の図の様に、フィルム一眼レフのストロボを親機にすれば、同じ光信号で他のモデルと同様に発光できるからです。


となると、もしかしたら3500xiと5400HSを発光させる手があるかもしれません。


SONYのデジタル一眼にHVL-F43Mを装着した場合、5400HSをワイヤレス同調できない

そこで思いついたのが、5400HSの次期種である5600(D)を親機にして、子機の5400HSをワイヤレス発光させようという訳です。


SONYのデジタル一眼に5600(D)を装着した場合、5400HSをワイヤレス同調できないか?

という訳で、早速試してみましたのですが、ダメでした。

具体的には、先ず5600(D)をワイヤレスのコントロールモードにしてα7R IIに装着します。

そしてα7R IIの電源をONします。

すると、下の写真の様にコントロールモードが勝手に解除されてしまうのです。


次に、α7R IIが電源ONの状態で、5600(D)を操作してコントロールモードに設定しても、一瞬"control"の文字が表れものの、すぐまた解除されてしまうのです。

という訳で、どうやっても5400HSや3500xiをワイヤレスフラッシュの子機として使う事はできない様です。

少々残念な結果になってしまいましたが、本情報はお役に立ちましたでしょうか?





SONY系ストロボのワイヤレスフラッシュの互換性

戻る

SONYワイヤレスフラッシュ実践ガイド

次へ

2017年版:最先端ストロボはどれだ





Copyright (c) 2015 Photo Cafeteria
This site is link free.

ご意見/ご感想等ありましたら是非こちらに。
Your response would be highly appreciated.




ホーム頁へ戻る