EOS Kiss X7で星空を撮る方法




はじめに


さあ、夜空にまたたく星達を撮ってみましょう。


さそり座と天の川 at 6月中旬 on 渡嘉敷島(F4.0 30秒 ISO3200 15mm)


フィルムカメラの時代は、フィルム感度の問題からそこそこ敷居が高かった星の撮影ですが、今ならマニュアルフォーカスとマニュアル露出のできるデジカメでしたら、間違いなく写せます。

ですが分かり難いマニュアルをひっくり返して、手持ちのカメラの設定方法を調べるのは本当に苦労します。

という訳で、マニュアルを一切見ないで星空を撮影する方法を機種別にご用意しました。

その第8弾はEOS Kiss X7です。


小型軽量のEOS Kiss X7


星空撮影の準備


それでは先ず星空撮影の準備をします。

必要な物は、以下の通りです。


1: カメラ


ここではキヤノンの入門機であるEOS Kiss X7を使用します。

       
EOS Kiss X8i  EOS Kiss X7i    EOS Kiss X7   EOS Kiss X5  EOS Kiss X70


X7は、数あるEOS Kissシリーズの中で、ミラーレス機の対抗馬として世界最小最軽量(407g)を達成したモデルです。

基本性能は上位のX7iと同じですが、残念ながらモニターは固定式ですので、星空撮影には屈みこんでモニターを覗く必要があります。

それが面倒でしたら、折り畳みの鏡を事前に用意しておく事をお勧め致します。

なおEOS Kissシリーズの場合、X8i、X7i、X6iの様に末尾に”i”が付くモデルは、バリアングルモニター付きになりますので、星空撮影にはこちらの方がお勧めです。

2: レンズ


標準レンズは既にカメラに装着されていると思いますが、星空撮影ではどちらかと言えば広角レンズの方が、星や周囲の木々がたくさん写って印象的な写真に仕上がります。

          EF-S10-18mm EF-S10-22mm   EF-S15-85mm   EF20mm F2.8  EF24mm F2.8
(16-29mm)   (16-35mm)   (24-136mm)     (20mm)     (24mm)

上のレンズの中では、EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM(3万円)が超広角ズームでお勧めになります。

なお光量の少ない夜間撮影の方が、レンズの曇り汚れ、或いは周辺の明かりの影響を受け易いので、事前にレンズ表面の清掃や、フード(もしあれば)の準備もしておきましょう。

また上の専用レンズ群の中で長い名称の中にIS(Image Stabilizer)と付いていたら、手振れ補正機能の付いたレンズの事です。

後述しますが、このレンズを使って三脚撮影する場合は、手振れ補正機能をOFFにした方が安定した撮影が可能になります。


3: 三脚


普通の記念撮影でしたらカメラをテーブルの上に置けば良いのですが、斜め上を撮るにはどうしても三脚が必要になります。

         

ただし地面に置いて、上を向かせるだけですので、小型の物で十分なのですが、余りに低いとモニターが見えないので、前述の様に鏡を準備した方が良いかもしれません。


4: 予備の電池


ご存じかもしれませんが、昼間の撮影より夜間の撮影の方が断然電気を多く消費します。

その理由は、少ない光量を電気を一杯使って増幅するからです。

おまけにその状態を長時間続けますので、電池がどんどん消耗する事になります。

         

このため、星空撮影には予備の電池を用意するか、もし手持ちの電池が1個しかなければ、事前にフル充電しておく事をお勧めします。


5: リモコン


その他として、シャッターを押した際の振動を防ぐためのリモコンもあります。

     

ですが、無い場合に備えてここでは後述の2秒タイマーを使います。


カメラの事前設定


星空を撮影するには、全部で7項目ものカメラの設定を変えなければなりません。

暗い所で行うと時間が掛りますので、事前に明るい所でやっておきましょう。





1: 長秒時露光のノイズ低減の解除


夜間の長時間露光においては、長秒時露光のノイズ低減の設定を行うべきなのですが、先ずはそれを解除します。

その理由は、撮影時間が非常に長くなるからです。

そもそも長秒時露光のノイズ低減とは、長時間撮影時の画像の中には電気的な余分なノイズが入っているので、被写体撮影後に真っ黒の画像を同じ時間だけ撮影して、そのノイズ分を被写体撮影時の画像から差し引いてやろうというものです。


 
ノイズリダクション無し        ノイズリダクション有り

ですから、もし30秒間の露光を行うと、同じく30秒間の真っ黒画像の撮影が行われますので、トータルで1分間何もできなくなってしまいます。

本番撮影ならしかたがないのですが、先ずはピントや露出や構図の確認をしなければいけない時に、この余分な30秒は甚だ無駄です。

さらに30秒も真っ黒画像を撮影しますので、電池もその分多く消耗します。

という訳で、本番撮影前は長秒時露光のノイズ低減は以下の手順でOFFにしておきます。

①メニューボタンを押してメニューを表示します。


②3番目のタブの中にある長秒時露光のノイズ低減を選びSETボタンを押す。


③表示されたメニューの中からOFFを選択する。


④SETボタンを押して終了する。

これで長秒時露光のノイズ低減はOFFに設定されました。

露出や構図等が決まって本番の撮影時には、この設定をONにして下さい。


2: 2秒タイマーのセット


前記しました様に、シャッターを押した際の振動を防ぐため、以下の手順で2秒タイマーをセットします。

①メニューボタンを押してメニューを表示する。


②表示されたメニューから、ドライブ/セルフを選択してSETボタンを押す。


③表示されたメニューから、○2(2秒タイマー)を選択する。


上の図で選択している○c 2は、10秒後に連続2枚撮影で、2秒タイマーではありません。

④SETボタンを押して終了する。


ホワイトバランスの設定


ホワイトバランスは恐らくデフォルトのままでしたらオートになっていると思いますので、そのままで構いません。

ただし実際星空を撮ると、赤みを掛けたかったり、逆にもっと青みを掛けたくなったりします。

その時に備えて、ホワイトバランスの調整方法も事前に確認しておきましょう。

①メニューボタンを押してメニューを表示する。


②2番目のタブの中にある”ホワイトバランス”が、AWBになっている事を確認する。


④SETボタンを2回押して押して終了する。


なおもし色味を変えたい場合は、手順②のメニューからホワイトバランスの設定を変更します。



3: 手振れ補正機能の解除


三脚を使って撮影する場合、手振れ補正機能は却ってブレの原因になりかねません。

このため手振れ補正機能の付いたレンズ(レンズ名にISと付いているもの)を付けている場合は、以下の手順で手振れ補正機能をOFFにします。

もし使用するレンズに手振れ補正機能がなければ、次に進んで下さい。

①レンズに付いているスタビライザーのスイッチをOFFにセットする。


星空撮影時はSTABILIZERのスイッチをOFFにする


これで手ブレ補正はOFFになりましたが、昼間の撮影の前に必ずONにしておきましょう。


5: マニュアル露出設定


次は、マニュアル露出の設定です。

デジカメの性能は非常に良くなってきており、今では殆どの場面は自動露出で撮れる様になってきました。

ですが、さすがに星空は光量が少なくて自動露出ではうまく撮れ切れません。

このため、以下の手順でマニュアル露出にして、絞りをF4、シャッタースピードを30秒にセットします。

①モードダイヤルを回して、M(マニュアル)にセットする。


②電子ダイヤルを回して、シャッタースピードを30秒にセットする。




電子ダイヤル(赤丸部)

③本体背面にある絞り数値/露出補正ボタンを押しながら電子ダイヤルを回して、絞りをF4にセットする。




絞り数値/露出補正ボタン(赤丸部)

④電源を切って終了する。


4: マニュアルフォーカスの設定


次はいよいよ、マニュアルフォーカスの設定です。

一昔前のカメラでしたら、レンズにピントリングが付いていたので、簡単に無限遠(∞)に固定できたのですが、今はAF(オートフォーカス)が主流のため以下の手順が必要です。

①レンズのフォーカスモードスイッチをMFにセットする。


②遠くの街灯や建物にピントが合う様にフォーカスリングを回してピントを合わせる。

③もし暗くてピントが合わせにくい場合、ライブビュー撮影ボタンを押して液晶モニターを見ながらピント合わせを行う。



④電源を切って終了する。

なお今回は前準備の設定ですので、撮影現場に着いたら再度遠くの明るい物(街灯や月)にカメラを向けてピント調整を行ないます。


6: ISO感度の設定


ISO感度とは、以前主流でしたフィルムの感度に当たります。

この数字が大きければ大きいほど、小さな光でも写す事ができますが、余りに大きくするとその弊害として画像に電気的なノイズが乗って、ざらついた画像になります。

ですので何事もほどほどが肝要です。

星空の場合、以下の手順でISO感度を3200に設定します。

①ISOボタンを押す。


②電子ダイヤルを回して、ISO感度を3200を選択する。


③SETボタンを押して設定を完了する。


8: レンズの清掃


カメラのセッティングが終了したら、最後にレンズの清掃をしておきましょう。

夜間の撮影は昼間の撮影以上に外乱の光が写真に影響してしまいます。

うっかりレンズに指紋でも付いていると明らかにコントラストが低下しますので、しっかり清掃しておきます。

またもし完璧を望まれるのでしたら、フィルターも外しておいた方が良いかもしれません。


9: 動作確認


設定が完了したら、最後に動作確認を行います。

①どこか暗めの所にカメラを向けてシャッターを切ります。

②シャッターを押して2秒後にシャッターが開いて、30秒後にシャッターが閉じて真っ白な画像(もしくは薄らと何か写っている画像)がモニターに表示されれば、設定OKです。



星空撮影


準備が完了したら、実際に星空の撮影を行いましょう。

①カメラを三脚にセットしたら、もう一度遠くの明るい物(例えば月や、遠くの街灯)にカメラを向けてピントがあっているかどうか確認します。

②もし合っていなければ、前述のマニュアルフォーカスの設定を再度行います。

③変わっていないと思いますが、もう1度絞りがF4でシャッタースピードが30秒で、ISO感度が3200になっている事をモニターで確認します。

④カメラの設定はそのままで、カメラを撮りたい星空に向けて、シャッターを切ります。

⑤もし撮影された画像が暗ければ、電子ダイヤルを回してシャッタースピードを遅く(例えばBにセットしシャッターボタンを60秒間押し続ける)するか、絞り数値/露出補正ボタンを押しながら電子ダイヤルを回して絞りを開ける(例えばF2.8にする)か、前述のISO感度設定でコントロールホイールを回してISO感度上げ(例えばISO6400にし)ます。


F4.0             F4.0             F4.0
15秒             30秒             30秒
ISO3200           ISO3200           ISO6400


⑥もし撮影された画像が明るければ、電子ダイヤルを回してシャッタースピードを早く(例えば15秒に)するか、絞り数値/露出補正ボタンを押しながら電子ダイヤルを回して絞りを絞る(例えばF5.6にする)か、前述のISO感度設定で電子ダイヤルを回してISO感度下げ(例えばISO1600にし)ます。

⑦上記④~⑥を繰り返して適正露出になったら、色見を前述のホワイトバランスを変えて調整します。


もし赤味を付けたいのでしたら、色温度を低めの4000K前後にするか、蛍光灯を選択します。


   WB: オート           WB:太陽光        WB:蛍光灯(昼白色)


もし青味を付けたければ、太陽光、日陰、曇天を選択します。

その他以下の様に各種設定がありますので、色々変えて撮影しておく事をお勧めします。


⑧好みの色味になったら、前述の長秒時ノイズ低減の設定をONにして、最終画像を撮ります。


いかがでしょうか?

素敵な写真が撮れましたでしょうか?


星空撮影モード解除


星空の撮影が終了したら、最後に星空撮影モードを解除しておきましょう。

さもないと翌日写真を撮ると、ピントは合わないし、画像は真っ白になったりと面食らう事に成ります。

①セルフタイマーを解除する。

②ホワイトバランスを”AUTO オート”に戻す。

③レンズに付いているスタビライザー(手振れ補正)のスイッチをONにセットする。

④レンズのフォーカスモードスイッチをAFにセットする。

⑤モードダイヤルを回して、M(マニュアル)以外(例えば”PプログラムAE”或いは”シーンインテリジェントオート”等)にセットする。



⑥ISO感度を”オート”に変更する。

なお設定変更の詳細手順については、上段の手順書を参考に願います。




EOS Kiss X7で星空を撮る方法

戻る

写真写りを良くする方法

次へ

ダイナミックレンジとは






Copyright (c) 2015 Photo Cafeteria
This site is link free.

ご意見、ご感想等ありましたら是非こちらに。
Your response would be highly appreciated.




ホーム頁へ戻る