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理想の手振れ補正とは?

2016/05: 発行
2017/02: 更新


目次
 1. はじめに
 2. 手振れの種類
 3. レンズ内手振れ補正のメリット
 4. ボディ内手振れ補正のメリット
 5. レンズ内とボディ内手振れ補正のまとめ
 6. 各社の動向
 7. 結論
 8. おまけ

1. はじめに


理想の手振れ補正とはどんなものなのでしょうか?

従来のフィルムカメラでしたら、手振れ補正はレンズ側に搭載されていましたので、必要ならば手振れ補正の付いたレンズとそれが使えるカメラを揃えるだけでした。


キヤノンの手振れ補正(IS)機能を搭載したEFレンズ群

ところが昨今では、撮像素子を縦横無尽に動かす事で、5軸手振れ補正を搭載した機種まで現れて、更にはレンズ内手振れ補正と連動するに至っては、自分に合った理想の手振れ補正はどれなのか次第に分からなくなってきました。


オリンパス公式HPのOM-D E-M1 Mark IIに関する記事

という訳で、これからデジカメを購入する方にとって、レンズ内とボディ内手振れ補正のどちらが一番合理的な選択なのかを、じっくり見極めてみたいと思います。

またそれに際して、手振れにはどんな種類があって、その重要度はどれくらいで、その補正方法についてもお伝えしたいと思います。

そして最後に各社の手振れ補正の思想とご自分にとって最適なデジカメをご紹介したいと思います。

なお新しい機種が発売される度に内容を更新しておりますので、これをお読み頂ければ、最新の手振れ補正事情を知る事ができると確信しております。


2. 手振れの種類


それでは先ず、手振れにはどんな種類があるか考えてみましょう。

一言に手振れと呼びますが、下の表にあります様に、実は大きく分ければ3種類、細かく分ければ6種類もあるのです。

大分類 小分類
1 角度振れ 1 ピッチ方向の角度振れ
2 ヨー方向の角度振れ
2 シフト振れ 3 上下方向のシフト振れ
4 左右方向のシフト振れ
5 前後方向のシフト振れ
3 回転振れ 6 左右の回転振れ
手振れの種類

これに関して、以下のソニーα7 IIの5軸手振れ補正のイラストを使って、ご説明していきたいと思います。


SONY α7 IIの5軸手振れ補正

①角度振れ


従来手振れと言えば、この角度振れの事を指していました。

上のイラストで言えば、①と②を指しており、①のピッチ(Pitch)が上下の角度ブレ、②のヨー(Yaw)が左右の角度振れになります。

殆どの方が経験があると思いますが、望遠レンズを付けてファインダーを覗くと、画面が細かく揺れるのはこの角度振れが原因です。


特に300mm以上の望遠になると、ピントを合わすのも難しいほど良くブレます。

また余り知られてはいませんが、撮影距離がレンズの焦点距離(フルサイズ換算)の20倍を超えると、上下左右の角度振れが支配的になっていきます。

例えば下の表にある様に、焦点距離が135mmのレンズでしたら2.7m、焦点距離が200mmのレンズでしたら4mを超えたら、角度振れが断トツの手振れ要因になります。

焦点距離 20mm 24mm 35mm 50mm 85mm 100mm 135mm 200mm 300mm
20倍 0.4m 0.5m 0.7m 1.0m 1.7m 2.0m 2.7m 4.0m 6.0m
角度振れが支配的になる焦点距離と被写体までの距離の関係

ですので、初期の手振れ補正はこの角度振れを抑えるのが主眼となっていました。

上の表をご覧頂きます様に、人物写真や風景写真の様に一般的な撮影においては、角度振れを抑える事が最も重要である事を分かって頂けると思います。

②シフト振れ


シフト振れとは、前出のイラストの③Xと④Yを指します。

これがどんなときに発生するかと言えば、マクロ撮影のときです。


具体的には以下のチャートにあります様に、撮影倍率が大きくなるほど、シフト振れの影響が大きくなります。


キヤノン公式HPのシフトブレに関するチャート

なおマクロレンズ以外でしたら、最大撮影倍率は0.2未満ですので、さほどシフト振れは心配しないでも良いと言えます。

ちなみに一般的な50mm標準レンズの最短撮影距離が0.45mですので、その場合の撮影倍率は0.11倍で、被写体から1m離れると0.05倍になります。

ですので、もっと端的に言ってしまえば、0.1倍以上のマクロ撮影をしない限りシフト振れ補正が付いていても、殆どそのメリットを享受できないという事です。

別の言い方をすれば、マクロレンズを使って高倍率のマクロ撮影をしない限り、シフト振れ補正は必要ないとも言えます。

ちなみに、キヤノンにおいてはマクロレンズに加速度センサーを付けて、シフト振れも補正できる様にしています。


キャノンのシフトブレ補正

なおシフト振れについては、イラストにはありませんが、Z方向も存在します。

ただしこれはカメラが前後に振れた場合ですが、理論的にはコンティニュアスAFと同じになります。

ですので、5軸手振れ補正にコンティニュアスAFを動作させれば、6軸手振れ補正と呼べるかもしれません。


③回転振れ


回転振れとは、イラストの⑤ロール(Roll)にあります様に、レンズの光軸を中心に左右に回転する振れを指します。

では回転振れがどういうとき発生するかと言えば、主に手持ちで長時間撮影を行った際、シャッターボタンを押した事によってカメラが回転して発生します


なおこの回転振れは、当然ながらレンズを回転しても補正できませんので、撮像素子を回転できるカメラ側でしか補正できません。

またこの回転振れ防止機構を利用して、水平を自動で修正するカメラも出てきました。

ただし昼間の撮影では殆ど効果はありませんので、夜景を手持ちで撮影しない限り、あまりメリットはないとも言えます。


④まとめ


それでは手ブレの種類を一通り見た所で、ここまでのまとめをしておきたいと思います。

大分類 小分類 説明
1 角度振れ 1 ピッチ 手ブレで一番重要なのは角度ブレであり、通常の撮影においてはこのブレが最も支配的である。
2 ヨー
2 シフト振れ 3 上下 シフト振れ補正は、マクロレンズを使って高倍率(0.1倍以上)のマクロ撮影をしない限り必要ない。
4 左右
5 前後
3 回転振れ 6 左右 回転振れ補正は、手持ちで長時間撮影(夜景撮影)を行なわない限り必要ない。

これをご覧頂きます様に、5軸補正と言いながら、実際には角度振れ以外は、殆ど重要ではないと言えます。


3. レンズ内手振れ補正のメリット


手振れの種類が分かって頂いたところで、それでは次に手振れ補正を、レンズ側で行う場合のメリットについて考えてみたいと思います。

①光学ファインダーで確認できる


レンズ内手振れ補正の最大のメリットは、光学ファインダーを覗いてその効果が確認できるという事です。

ですのでデジタル一眼レフにおいては、レンズ内手振れ補正が最も合理的だと言えます。

ただしミラーレス一眼においては、本体側の手振れ補正であっても、電子ファインダーで手振れ補正が確認できますので、その最大のメリットが薄らいだと言わざるを得ません。

②レンズに最適な制御ができる


レンズに手振れ補正機能がある場合、そのレンズに最適な手振れ補正機構を組み込む事ができます。

ただし手振れ補正が本体側で行われる場合は、装着するレンズの情報を本体側が読み取って、ある程度そのレンズに則した制御を行いますので、この優位性も薄らいできたと言えます。

とは言え、汎用のボディー内手振れ補正より、優位性があるのは間違いありません。


4. ボディ内手振れ補正のメリット


それでは次に、ボディ内手振れ補正のメリットを見ておきましょう。

①電子ファインダーで効果を確認できる


先程お伝えしました様に、従来のデジタル一眼レフの場合、手振れ補正の効果を光学ファインダーで確認するためには、レンズ側で手振れ補正を行うしかありませんでした。

しかしながら昨今台頭してきたミラーレス一眼においては、撮像素子の画像をそのまま電子ファンダーに表示できる事から、ボディ内手振れ補正でも効果を確認できる様になりました。

これが数年前と状況が一変した最大の理由かもしれません。

②回転振れに対応できる


先程手振れの種類でご説明しました様に、角度ブレ(上下左右)、シフトブレ(上下左右)についてはレンズ側でも補正できますが、回転振れについてはどうあがいても本体側でしか補正できません。

③画質の低下がない


余り知られていませんが、レンズ内補正の場合、内部のレンズを上下左右に移動させるため、光軸がずれて少なからず画質が低下します。


レンズ内手振れ補正の場合、レンズの光軸をずらすため画質が低下する

従来は手振れ補正の効果の方が、画質低下の弊害を大きく上回っていたので特に気にされる事はありませんでした。

しかしながらボディ内手振れ補正の場合、この様な画質の低下は発生しませんので、この点でも本体側が有利になります。

④撮像素子に最適な制御ができる


本体側に手振れ補正機構を設ける事で、本体の撮像素子に最適なブレ補正の制御システムが組み込む事ができます。

手振れを抑えるだけですので、手振れ補正は似た様なものだと思われるかもしれませんが、厳密に言えば解像度度の高い撮像素子ほどより精度の高い手振れ補正制御が必要になります。

レンズ内手振れ補正の場合、撮像素子の大きさや解像度が変わっても、常に同じ制御を行なわなくてはなりません。


⑤レンズを小型化できる


以下の写真はキヤノンとオリンパスとニコンのミラーレス一眼用の標準ズームレンズです。


手ブレ補正機構を内蔵していないZUIKOレンズが一番小さい

いずれも撮像素子の大きさが異なり、キヤノンは沈胴式を採用していない事もあるのですが、唯一手振れ補正のないオリンパスのレンズが最も小さい事が分かって頂けると思います。


⑤トータルコストが安い


レンズ全てに手振れ補正機構を設ける必要がないので、複数の交換レンズを揃えるとなるとトータル的にはコストダウンになります。

⑥あらゆるレンズに対応する


これはボディ内手振れ補正のメリットの中でも最も大きなメリットかもしれません。

何しろ本体に取り付け可能であれば、どんなレンズにおいても手振れ補正が効くのですから。

特にありがたいのは、レンズ内手振れ補正のない単焦点広角レンズや標準レンズ、あるいはポートレート用のレンズを手振れ補正が使える事です。

ですので、もしこのクラスのレンズで手振れ補正を使いたいのであれば、必然的にボディ内手振れ補正を選択するしかありません。



キヤノンの手振れ補正(IS)機能を搭載したEFレンズ群のリスト

実際、上のリストにもあります様に、フルサイズ対応で20本以上の手振れ補正搭載レンズがありますが、その中には標準レンズや中望遠レンズはありません。


5. レンズ内とボディ内手振れ補正のまとめ


それではここまでのまとめをしたいと思います。

1. 手振れに最も関係する角度ブレを重点的に補正したいのであれば、レンズ内手振れ補正がお勧めである。

2. このためもし自分が最も使いたいレンズに手振れ補正機能があるのであれば、それを選択するのも妥当である。

3. ただし使用するレンズの本数が多い、或いは単焦点の広角から中望遠レンズまで手振れ補正を使いたいのであれば、ボディ内手振れ補正を選択するのが妥当である。





6. 各社の動向


複数の交換レンズを揃える場合、ミラーレス一眼とボディ内手振れ補正の組み合わせが、コスト的には最も理想的なのは間違いないでしょう。

ただし手振れ補正で最も効果的な角度振れ補正については、レンズ内手振れ補正の方が有効とも言えます。

この観点から、各メーカーの手振れ補正に関する思想を見ていきたいと思います。

キヤノン


先ずデジタル一眼レフの2強の一角であるキヤノンについては、下の表にあります様に当面デジタル一眼レフとレンズ内手振れ補正に力を注ぐ事になるのは間違いないでしょう。

種類 フルサイズ APS-Cサイズ
デジタル一眼レフ レンズ内手振れ補正 レンズ内手振れ補正
ミラーレス一眼 N/A レンズ内手振れ補正

何故ならば、デジタル一眼レフこそが両社の売れ筋商品であり、大黒柱だからです。

特にAPS-Cサイズのミラーレス機(EOS-Mシリーズ)では、自社の売れ筋一眼レフであるKissシリーズと完全に競合する事から、それを脅かしかねないボディ内手振れ補正を投入する可能性は非常に少ないと思われます。

そう言うと、2016年末に発売されたEOS-M5は、ボディ内5軸手振れ補正を搭載していると思われるかもしれませんが、これは電子式の手振れ補正で動画にしか使えません。

ご存じの様に電子ファインダー、AF、手振れ補正、連写性能が日進月歩の勢いで進歩しているミラーレス一眼において、旧来のシステムのままいつまで牙城を維持できるかは甚だ疑問です。

ニコン


続くニコンにおいては、キヤノンと同様デジタル一眼レフとレンズ内手振れ補正に力を注ぐ事になるのでしょう。

種類 フル(FX)サイズ APS-C(DX)サイズ 1"(CX)サイズ
デジタル一眼レフ レンズ内手振れ補正 レンズ内手振れ補正 N/A
ミラーレス一眼 N/A N/A レンズ内手振れ補正

ただしニコンの場合、ミラーレス一眼がCXサイズと自社のデジタル一眼レフと競合しない市場ため、今後ボディ内手振れ補正を採用する可能性は十分あるといえます。

実際NIKON 1用の単焦点レンズには、まだ手振れ補正は付いていませんので、可能性はゼロではありません。

ただし2015年以降NIKON 1のカメラ、レンズの新機種は発売されていませんので、同じく1インチ撮像素子を使うコンパクトデジカメのDLシリーズの発売が中止になった事から、継続が心配されます。

ソニー


それに続くソニーは、以下の様な構成になっています。

種類 フルサイズ APS-Cサイズ
デジタル一眼レフ ボディ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正
ミラーレス一眼 ボディ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正
レンズ内手振れ補正 レンズ内手振れ補正

上記の様に、ソニーはAマウントのデジタル一眼レフがボディ内手振れ補正のみ、ミラーレス機がボディー内とレンズ内手振れ補正を採用しています。

またミラーレス機においては、レンズ内手振れ補正とボディ内手振れ補正を組み合わせる場合は、角度振れはレンズ、その他はボディ内手振れ補正で対応するとの事です。


ソニーの手振れ補正の組み合わせ

ソニーとしては、これを最適な手振れ補正の組み合わせとしていますが、やはり角度振れはレンズ内手振れ補正が優れていると認識している様です。

ですので一般的な撮影用途で、且つ自分で必要とするレンズに手振れ補正が付いている場合は、ボディ内手振れ補正は不要とも言えます。

なお余談ですが、2016/12にα6500が発売されるまでは、APS-Cサイズ対応のミラーレス機にはボディ内手振れ補正は搭載されていませんでした。




α6500(手振れ補正有り)   α6300(手振れ補正無し)

この理由は少しでもカメラ本体を小型化したいためと、このクラスだと角度振れの補正で十分で、且つEマウントレンズを何本も揃える方は居ないと想定していたと思ったのですが、見事に間違えました。

技術が進歩すれば、この大きさのボディーにも手振れ補正を搭載できる様です。


オリンパス


続いてはマイクロ4/3陣営のオリンパスです。

種類 マイクロ4/3
ミラーレス一眼 ボディ内手振れ補正
レンズ内手振れ補正

オリンパスのミラーレス機については、当初ボディー内手振れ補正を基本としていたため、レンズには手振れ補正機能は搭載されていませんでした。

ところが、2016/に発売されたM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROからは一部のレンズにレンズ内手振れ補正機能が搭載される様になっています。

この事からも角度振れに対しては、レンズ内手振れ補正の方が優れていると言えるかもしれません。

なおこの望遠レンズの場合、レンズ内手振れ補正だけでも4段分の補正性能があるのに加え、ボディ内手振れ補正とレンズ内手振れ補正を協調動作させる5軸シンクロ手振れ補正(Sync IS)によって、トータル6段分の手ブレ補正性能が得られるとの事です。


M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROとOLYMPUS OM-D E-M1

またこれ以外にレンズ内手ブレ補正を搭載したレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROsで、これとOM-D E-M1 Mark IIと組み合わせると世界最強の6.5段分の補正が可能だそうです。

6.5段分の手振れ補正を可能にした
ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-D E-M1 Mark II

マイクロ4/3は撮像素子が小さいので、その分手振れ補正には有利なのですが、それにしても大したものです。


パナソニック


同じくマイクロ4/3陣営のパナソニックは以下の通りです。

種類 マイクロ4/3
ミラーレス一眼 レンズ内手振れ補正
ボディ内手振れ補正

面白い事にオリンパスと異なり、パナソニックは当初レンズ内手振れ補正を基本としていました。

ですが、2013/9発売のDMC-GX7よりボディ内手振れ補正を採用してきました。

推測ですが、動画に力をいれているパナソニックとしては、撮像素子の放熱等の問題から、当初ボディ内手振れ補正を敬遠したのかもしれません。

実際ボディ内手振れ補正を導入したモデル(DMC-GX7、DMC-GX8)も、動画撮影時はボディ内手振れ補正が使えない仕様になっています。

なお2015/8に発売されたDMC-GX8は、(オリンパスと同様)新たにDual I.S.と呼ばれるボディ側の角度ブレ補正とレンズ側の角度ブレ補正を連動させる手振れ補正機能を搭載しました。


DMC-GX8におけるDual I.S.のイメージ図

これによって角度ブレの補正範囲が間違いなく広がりますので、オリンパス同様理論上は最強の角度振れ補正と言えます。

なおこの後に発売されたDMC-GX7IIには回転ブレの補正機能が追加され、5軸手振れ補正対応になりました。


ペンタックス


続くペンタックスは以下の通り異色です。

種類 フルサイズ APS-Cサイズ 1/2.3インチ
デジタル一眼レフ ボディ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正 N/A
ミラーレス一眼 N/A N/A ボディ内手振れ補正

ペンタックスは一眼レフでありながら、当初よりボディ内手振れ補正を採用しています。

この理由は、過去のレンズ資産を生かすという意味が大きいと思われます。


ペンタックスK-1の手振れ補正のイメージ図

また最新のフルサイズ一眼レフであるペンタックスK-1は、デジタル一眼で世界初となる5軸手振れ補正で最大5段分の補正効果を実現したとの事です。

フジフィルム


しんがりはフジフィルムです。

種類 APS-Cサイズ
ミラーレス一眼 レンズ内手振れ補正

ここは明らかに他社とは異なり、ミラーレス一眼でありながら、レンズ内手振れ補正を採用しています。

この理由は、画質(特に周辺部の)を最優先するために、ボディ内手振れ補正を考慮したイメージサークルになっていないとの事です。

レンズ内手振れ補正も理論上は画質は劣化するのですが、それはさて置きフジノンレンズの XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRにおける5段分の手振れ補正は、確かに被写体が止まって見えます。


フジノンレンズ XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRとX-T1

一度覗いてみる価値はあります。


7. 結論


以上で手振れ補正についてかなり分かってきたと思いますので、ここで総まとめをしたいと思います。

1. 先ず一般的な撮影においては、角度振れを抑える事が最も重要であり、その場合レンズ内手振れ補正とボディ内手振れ補正の組み合わせが最強で、次がレンズ内手振れ補正、最後がボディ内手振れ補正と言えます。


6.5段分の手振れ効果を達成したレンズ内手振れ補正とボディ内手振れ補正

2. ただしレンズ内手振れ補正の場合、今の所ズームレンズか広角と望遠レンズにしか搭載されていないため、もし単焦点の標準から中望遠レンズで手振れ補正を使いたい場合、ボディ内手振れ補正を選択するしかありません。


ポートレート用の中望遠レンズでもボディ内手振れ補正が効くα7R II

2. マクロ撮影を頻繁に行うのならば、シフト振れ補正のあるレンズもしくはボディがお勧めである。

3. 手持ちで長時間撮影(夜景撮影)を行うのであれば、回転振れ補正のあるボディ内手振れ補正がお勧めである。

4. レンズを多数揃えるのならば、コストも重量も抑えられるボディ内手振れ補正がお勧めである。

5. ただし使用する交換レンズが限られるのであれば、レンズ内手振れ補正も選択肢となる。



8. おまけ


いかがでしたでしょうか?

これで手振れ補正に関して全情報をお伝えしたと思いますので、最後に手振れ補正の種類ごとに対応するデジカメをまとめてみたいと思います。

デジカメ選びの参考にして頂ければ幸甚です。

デジタル一眼レフ


今まで何度かデジタル一眼レフにおいてはレンズ内手振れ補正が有効だとお伝えしておりましたが、下の表をご覧頂きます様に実際にはデジタル一眼レフであってもボディ内手振れ補正を採用している機種が存在しています。

種類 レンズ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正
+
レンズ内手振れ補正
効果 手振れ効果の高い角度振れだけ補正したい 全てのレンズで手振れ補正を行いたい 最大限の手振れ補正効果を得たい場合
フル
サイズ

キヤノンのフルサイズデジタル一眼レフ


ニコンのフルサイズデジタル一眼レフ


ソニーのフルサイズデジタル一眼レフ


ペンタックスのフルサイズデジタル一眼レフ
N/A
APS-C
サイズ

ニコンのAPS-Cサイズデジタル一眼レフ


キヤノンのAPS-Cサイズデジタル一眼レフ

ソニーのAPS-Cサイズデジタル一眼レフ


ペンタックスのAPS-Cサイズデジタル一眼レフ
N/A

ただしソニーのαシリーズにおいては、薄幕ミラーと電子ビューファインダーを搭載していますので、ファインダーで手振れ効果を確認できます。

とは言え、ペンタックスの様に光学ファインダーであっても、レンズに手振れ補正を組み込まないで良いボディ内手振れ補正を採用していてなお且つ市場で評価されているのを見るのを、一概にどちらが優れているとは言えないのが見て取れます。

ただし、長期的に見るとデジタル一眼レフよりミラーレス一眼の方が将来性は高いのは間違いないと思いますので、デジタル一眼レフについては過去の資産を活かしていけば良い様に思います。


ミラーレス一眼


手振れ補正に関して選択肢が豊富にあるミラーレス一眼をまとめると、以下の様になります。

種類 レンズ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正 ボディ内手振れ補正
+
レンズ内手振れ補正
効果 手振れ効果の高い角度振れだけ補正したい 全てのレンズで手振れ補正を行いたい 最大限の手振れ補正効果を得たい場合
フル
サイズ
ソニーのボディ内手振れ補正非搭載機(α7シリーズ)
ソニーのボディ内5軸手振れ補正搭載機(α7IIシリーズ)
ソニーのボディ内5軸手振れ補正搭載機(α7IIシリーズ)と手振れ補正内蔵レンズ
APS-C
サイズ
ソニーのα5000/6000シリーズ
キヤノンのEOS Mシリーズと手振れ補正内蔵レンズ
フジフィルムのXシリーズ


ソニーのα6500


ソニーのα6500と手振れ補正内蔵レンズ
4/3
サイズ
パナソニックのボディ内手振れ補正非搭載機
オリンパスのOMシリーズとPEN-F

パナソニックのボディ内手振れ補正搭載機
オリンパスのOMシリーズとPEN-Fと手振れ補正内蔵レンズ
パナソニックのボディ内手振れ補正搭載機と手振れ補正内蔵レンズ
CX
サイズ
ニコンのNikon 1シリーズ
N/A N/A
1/2.3
サイズ
N/A
ペンタックスのQシリーズ
N/A

いかがでしょうか?

殆どカオス(混沌とした)の状態と言っても良いのではないでしょうか。

という訳で本書のまとめです。

デジタル一眼レフにしろ、ミラーレス一眼レフにしろ手振れ補正の方式はふんだんにあるので、自分が使うレンズの種類や本数に合わせて最適な機種を選択するのが懸命である

非常に月並みな結末ですが、本書がお役に立てば幸いです。




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