標準ズームの70mm F2.8と105mm F4.0では
どちらがボケるのか?

2019/10/30:発行


はじめに


標準ズームの代表格である24-70mm F2.8と24-105mm F4.0。


RF24-70mm F2.8 L IS USMとRF24-105mm f4 L IS USM

この2本のレンズを使って人物を撮影した場合、どちらがより背景がボケるのでしょうか?

ご存知の通り、ボケは絞りが小さい程大きくなり、焦点距離が長いほど大きくなります。

となると、両レンズの望遠側である70mm F2.8と105mm F4.0では、どちらがボケが大きくなるかは微妙な所です。

そんな訳で、どちらがボケるのか、いつもの様に本書が計算してみましたので結果をお伝えしたいと思います。

またついでに、キヤノンから新たに発売された大口径標準ズームであるRF 28-70mm F2 L USMのボケ量についてもお知らせしたいと思います。

どんな結果になるか、お楽しみに。


計算結果


既にお伝えしました様に、背景がボケ易いのは絞りを開放で焦点距離が長いときですので、2本のレンズにおいて一番ボケ易いのは、70mm F2.8と105mm F4.0の場合です。

このボケ量をボケ易い単焦点レンズのベスト15でご紹介しましたチャートに載せると、以下の様になります。


50mm F1.4のボケ量を基準としたレンズ別ボケ量チャート

これ(緑色の棒グラフ)をご覧頂きます様に、2本のレンズ間では24mm F2.8の方が多少ボケ易いものの、他の単焦点レンズと比べると、いかに2本のレンズがボケ難いか驚かれたのではないでしょうか。

何しろ2本のレンズのボケ量は、標準レンズの50mm F1.8はおろか、広角レンズである35mm F1.4よりも劣るのですから。

どうやらボケを活かした撮影には、どうしても明るい単焦点レンズを使うしかなさそうです。

そんな結論に達しようとしたとき、ある事を思い付きました。


大口径標準ズーム28-70mm F2.0


それがキヤノンから最近発売された、大口径標準ズームのRF28-70mm F2 L USMです。

 
大口径ズームレンズのRF 28-70mm F2 L USM

従来にない明るい標準ズームレンズなので、これなら単焦点レンズに迫るボケが期待できるかもしれません。

そう思って、先ほどのチャートに70mm F2.0のボケ量を追加した結果が以下です。


70mm F2.0のボケ量を追加したレンズ別ボケ量チャート

これ(濃緑の棒グラフ)をご覧頂きます様にボケ量は大きくなったものの、依然50mm F1.4よりも劣ります。

何でもかんでも背景をボケさせれば良いという訳ではありませんが、やはりボケを意識した写真を撮るには、単焦点レンズを使うしか無さそうです。

とは言え、少し構図を変える度に、前に行ったり後ろに下がったりするのは何かと面倒です。


大口径F1.8標準ズーム


そこで(実現の可能性はともかく)、ボケを意識したポートレートにも使える大口径標準ズームを考えみたいと思います。

今までの計算結果からすると(絞りF2.0でも足りないので)、どうしても望遠側でF1.8程度の明るさがほしくなります。

という訳で、取り敢えず焦点距離70mmでF1.8のボケ量を計算してみます。


70mm F1.8のボケ量を追加したレンズ別ボケ量チャート

そうすると、ようやくボケ量は103%となり50mm F1.4(100%)のボケ量を超えました。

ただし前述のRF28-70mm F2 L USMでさえあの大きさですので、28-70mm F1.8(2.5倍)となると現実的にはかなり難しいでしょう。

となると、もしかしたら35-70mm F1.8(2倍)ならば多少可能性はあるかもしれません。


1973年にキヤノンから発売された世界初の標準ズーム(FD35-70mm F2.8-3.5 S.S.C.)

更に理想を言わせて頂ければですが、35-85mm F1.8(2.4倍)もしくは45-90mm F1.8(2倍)クラスの大口径標準ズームがあれば、かなり魅力的なのは間違いありません。

ちなみに90mm F1.8のボケ量は125%と、55m F1.2に肉薄します。

どうなでしょう、キヤノンさん?


まとめ


それではまとめです。

①標準ズームの代表格である24-70mm F2.8と24-105mm F4.0における望遠側のボケ量は、70mm F2.8が66%で105mm F4.0が63%と僅かながら70mm F2.8の方がボケ易い。

②ただし単焦点レンズと比べると、35mm F1.4(73%)のボケ量よりも劣る事から、やはりボケを意識したポートレート用としては少々役不足である。

③なお既に開放絞りF2.0の大口径標準ズーム(RF 28-70mm F2 L USM)も存在するが、これとても望遠側のボケ量は92%と、大口径単焦点レンズと比べると依然見劣りがする。

④このため、もしある程度ボケを意識した大口径標準ズームを作るとなると、望遠側の開放F値は1.8程度がどうしても必要になる。

余り画期的な結論ではありませんが、少しはお役に立ちましたでしょうか?




標準ズームの70mm F2.8と105mm F4.0ではどちらがボケるのか?





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