AEロックボタンの画期的な使い方

2020/02/09:発行

目次



1. はじめに


ご自分のデジタルカメラに、以下の様な機能が欲しいと思われた事はないでしょうか?

①自動露出(P/A/S)モードからマニュアル(M)モードに、露出設定を引き継いだ状態で(モードダイヤルを回す事なく)一気に変更したい。


SONY α9のモードダイヤル

②マニュアル(M)モードを使っていて、撮影環境が大きく変わった場合だけ、露出値を自動で設定したい。

無理な望みだと思われるでしょうが、実は貴方のカメラに既にその機能は備わっているのです。

今回はその方法をお伝えしたいと思います。

恐らく本邦初公開です。


2. 露出設定を維持したまま自動露出をMモードに変更したい場合


それでは早速露出設定を維持したままで、自動露出モードをマニュアル(M)モードに変更する方法をお伝えしたいと思います。

でもその前に、それがどんな場合に発生するかお伝えしておきます。

例えば、貴方が絞り優先(A)モードを使って人物を撮影してるとします。

すると構図を変えたり、ズームして画角を変えたりすると、周囲の明るさに連られて露出が意図せず変わる事は良くある事です。


自動露出で撮影すると意図せず露出が変わる

それを避けるためには、絞り優先モードをマニュアルモードに変更すれば良いのはご存知の通りです。

ですがその場合、それまでの露出値(絞りとシャッタースピードとISO感度)をメモして、マニュアルモードに変更した後、手動でその露出値を設定してやるというとんでもない手間が発生します。

さすがにそんな面倒な事はできませんし、残念ながら最新のデジタルカメラであっても、露出設定を維持したまま、撮影モードを絞り優先からマニュアルモードに変更する事はできません。

ところが!

ところがです。

疑似的ながら、露出設定を自動露出からマニュアルモードに一気に変更する方法があるのです。

勿体ぶってしまいましたが、それはAEロックボタンを押す方法です。

例えば前述の人物撮影において、AEロックボタンを押します。

すると構図を変えようが、ズームしようが、被写体から離れようが近づこうが、露出は常に一定なのです。

すなわち、AEロックボタンを押した瞬間に、そのままの露出設定でマニュアルモードに移行したのと同じになるのです。

当たり前と言えば当たり前なのですが、これはかなりオイシイ話ではないでしょうか?


3. Mモードで撮影環境が変わったとき自動で露出を設定したい場合


またこんな経験はないでしょうか?

通常はマニュアル(M)モードで撮っていて、環境が変わったときのみ自動で露出を設定したい。


普段はマニュアルモードで、撮影環境が変わったときのみ自動で露出を設定(変更)したい

具体的には、屋外の撮影から、いきなり屋内の撮影に移ったします。

すると、当然明るさが大きく変わりますので、もしマニュアルモードのままだとすると、露出値(絞りとシャッタースピードとISO感度)を全て手動で再設定しなければなりません。

だったら、そのときだけ自動露出で設定し、それ以降はマニュアルモードにできれば、かなり楽です。

そんな時もAEロックの出番です。

この場合は、敢(あえ)てマニュアルモードを使わずに自動露出モードを使い、常時AEロックした状態(すなわち疑似的なマニュアルモード)で撮影を行う。

そして撮影環境が変わった場合は、AEロックを解除して自動で露出を設定し、再度Aロックすれば新しい露出設定で、また疑似的マニュアルモードが使えるという訳です。

こんなにウマイ話はないでしょう。


4. おまけのメリット


そして、このAEロックを使った疑似的マニュアルモードには、更に良い事があるのです。

通常のマニュアルモードでしたら、もし絞りを1段開けたら、シャッタースピードを1段早くしなければ、露出が変わってします。

このため、手動で絞りとシャッタースピードの二つを変更しなければなります。

ですが、AEロックした状態でしたら、もし絞りを1段開けたら、カメラが自動的にシャッタースピードを1段早くしてくれるのです。

ですので、(AEロックボタンを押した時と)全く同じ露出で撮影を続けたい場合、純粋なマニュアルモードより使い勝ってが良いのです。


5. 露出を変更したい場合は露出補正ダイヤルを使う


ただし、ここで1点問題が発生します。

先ほどお伝えした様に、このAEロックを使った疑似的マニュアルモードにおいては、絞りを変えても、シャッタースピードを変えても)AEロックボタンを押した時と同じ露出にしかできません。

そこで登場するのが、露出補正ダイヤルです。


SONY α9の露出補正ダイヤル

ですので、もし疑似的マニュアルモードで露出を少し変更したいなと思ったら、露出補正ダイヤルを使う事になります。


6. AEロックボタンをホールドに設定する


ただし、この間AEロックボタンを長時間押し続けているもかなり苦痛です。

と心配される貴方のために、1度AEロックボタンを押したら、その状態をホールする機能も既に準備されているのです。


ソニーα7 IIIのAEロックのホールド機能(再押しAEL)に関する説明

これを使わない手はないでしょう。


7. やっぱり欲しいマニュアルモードの自動露出設定


という訳で、AEロックボタンを使えば疑似的なマニュアルモードは使えます。

ですが、やっぱりマニュアルモードにおいて、あるボタンを1回押すと自動露出設定できる機能は欲しいものです。

その理由なのですが、AEロックボタンをホールドに設定していても、メニューボタンを押したり、再生ボタンを押すとAEロックが簡単に解除されてしまうからです。

そしてもう一つ理由があります。

例えば夜景をバックに、ストロボを焚いて人物を撮影しているとします。

その場合、人物の露出が適正なのだけど、背景だけもう少し明るくしたい、或いは暗くしたいとします。


背景だけ暗くしたい場合はどうすれば良いのか?

その場合AEロックボタンを押した疑似的マニュアルの場合、露出補正ダイヤルで明るさを調整すると、人物まで明るくなったり暗くなったりします。

ですが、本来のマニュアルモードであれば、シャッタースピードだけ調整すれば、ストロボの影響を受けないで背景だけ明るさを調整できるのです。

これはカメラメーカーにお願いするしか手はないのですが、何とかマニュアルモード中にボタン一つ押せば、立ちどころに自動で露出を設定してくれて、以降はマニュアルモードで撮れる機構を作って貰いたいものです。


8. まとめ


いかがでしたでしょうか

それではまとめです。

①露出設定を維持したまま自動露出をマニュアルモードに一気に変更したい場合は、AEロックボタンを押す。

そうすれば、それまでの露出設定を維持したまま、疑似的なマニュアルモードとして撮影できる。

②マニュアルモードで撮影環境が変わったとき、自動で露出を設定したい場合は、敢(あえ)てマニュアルモードを使わずに自動露出モードを使い、常時AEロックした状態(すなわち疑似的なマニュアルモード)で撮影する。

そして撮影環境が変わった場合は、AEロックを解除して露出設定を自動で設定し、再度AEロックすれば新しい露出設定でまた疑似的マニュアルモードとして使える。

③この疑似マニュアルモードの場合、もし絞りを1段開けたら、カメラが自動的にシャッタースピードを1段早くしてくれるので、絞りやシャッタースピードの効果を変えて同じ露出で撮り続けるには最適である。

④この疑似マニュアルを使う場合は、AEロックボタンをホールド設定にするのが望ましい。

⑤ただし疑似マニュアルモードは、メニューボタンや再生ボタンを押すと解除されるので、できる事なら、マニュアルモードにおいて、あるボタンを1回押すと自動露出設定できる機能が欲しい。

と言う訳で、もしマニュアルモードでの撮影をちょくちょく行っている方でしたら、早速AEロックボタンにAEロックホールド(再押しAEL)を登録して、AEロックを使った疑似的マニュアルモードを使ってみる事をお勧めします。

特に人物撮影においては、人物に当たる光が極端に変わらない限り安定した露出が可能ですので、OK写真の歩留まりが間違いなく上がります。




AEロックボタンの画期的な使い方





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