ドットとピクセルの違い

2019/3: 発行
2019/5:大幅改定

はじめに


ドットとピクセルの違いをご存知でしょうか?

ネットで調べると、それはもう良く分からない説明が溢れかえっていて、一体何が正しいか恐らく誰にも分からないのではないでしょうか。

という訳で、本書が今すぐ解決してみせます。


ドットとは何?


本書の解説を始める前に、ネットにおけるドットとピクセルに関する代表的な説明を見ておきたいと思います。

もし不要でしたら、この3段下の”ドットとは”に進んで下さい。

先ずドットをネットで調べると、多少の違いはあるでしょうが、以下の様な説明が出てきます。

ドットとは、基本的には「点」という意味。

たとえば、パソコンの画面は小さな光の点で表現されていて、その数(解像度)を1024×768ドットなどと書くことがある。

この場合は、横方向に1024個の光の点が、縦方向に768個の光の点が並んでいるという意味。

これはまだ分かり易いと言えますが、問題は次のピクセルです。

ピクセルとは何?


それでは次にピクセルを調べると、以下の様な説明が出てきます。

ピクセルとは画素を意味する。

パソコンの画面は、細かな光の点で表現されている。

たとえばXGA(1024×768ドット)なら、横方向に1024個、縦方向に768個、全体では786,432個の光の点が並んでいる。

この、ひとつひとつの点を画素という。

パソコンの画面は、RGB(赤、緑、青)の3色の組み合わせで色を出している。そのため、このワンセットで1画素というのが基本。

特に液晶ディスプレイの場合、そのディスプレイの標準解像度で使えばキッチリと1画素=1ドット=RGBのワンセットになる。

一方、今のCRTは解像度を切り替えられるので、必ずしも1画素=1ドットというわけにはいかない。


ドットとピクセルは同じもの?


さあ、上の二つの説明文を読んで、両者の違いを明確に理解された方はいらっしゃいますでしょうか?

笑ってしまうほど、支離滅裂と言ったら言い過ぎかもしれませんが、かなり矛盾している内容なのは間違いないでしょう。

何しろ、ピクセルの説明文の中で”1画素=1ドット”と言っていながら、次の文で”は必ずしも1画素=1ドットというわけにはいかない。”と書かれているのですから。

ちなみにこの記事は、個人サイトではなく、非上場会社ではあるもののNTTコミュニケーションズの子会社である、NTTPCコミュニケーションズの公式HPからの引用です。

日本を代表するIT企業の子会社でさえ、こんな説明なのですから、コピペばかりの個人サイトの記事でしたら、推して知るべしでしょう。

本サイトも似たり寄ったりの弱小サイトではありますが、これから間違いなく真実をお教えしますのでご安心下さい。


ドットとは


それでは本書独自の解説です。

かなり端折(はしお)った言い方かもしれませんが、ドットとは以下の様にご理解頂ければと思います。

ドットとは、画像入出力装置において光の強弱を読み取ったり表示したりできる最小の点を指す。

ここで言う画像入力装置や画像出力装置とは、以下の機器を指します。

分類
画像入力装置 イメージスキャナ
デジタルカメラ等
画像出力装置 液晶モニター
インクジェットプリンター等

そこまでご理解頂いた所で、それではいよいよ各画像入出力装置における1ドットをお知らせしたいと思います。

イメージスキャナ(画像入力装置)


先ずは画像入力装置の一つである下にあるイメージスキャナでしたら、一列に並んだイメージセンサーの中にある1素子(受光素子)が1ドットに当たります。


イメージスキャナの場合、一列に並んだイメージセンサーの中にある1つの受光素子が1ドットになる

すなわち、画像入力装置において光の強弱を読み取る最小の点が、1個の受光素子という訳です

これについては、どなたもすんなりご納得頂けるのではないでしょうか。


デジタルカメラ(画像入力装置)


続いては、入力装置の代表選手であるデジタルカメラです。

この場合、イメージスキャナとは異なり撮像素子の上に赤緑青のカラーフィルターが乗っていて、その下に受光素子が面状に配置されいます。


デジタルカメラの場合、撮像素子の中の1素子が1ドットになる

ですが考え方は同じで、撮像素子の中に数千万個ある内の1受光素子が1ドットに当たります。

液晶モニター(画像出力装置)


また出力装置の一つである液晶モニターの場合でしたら、液晶画面を虫眼鏡で拡大した見える一つの光る素子(正確には裏面の光を液晶が透過したり遮ったりしています)が、表示できる最小の点である1ドットになります。


液晶モニターの場合、一つの光る素子が1ドットになる      

インクジェットプリンター(画像出力装置)


次に出力装置のインクジェットプリンターにおいては、表示できる最小の点はインクの一滴であり、それが1ドットになります。


インクジェットプリンターの場合、インク1滴が1ドットになる

これでドットについては、スッキリご理解頂けたと思うのですが、いかがでしょうか。


ピクセルとは


それでは次にピクセルについてご説明します。

ピクセルとは、画像入出力装置においてカラー画像を表すための最小の点を指します。

今度は説明し易い事から、出力機器である液晶モニターから話をしたいと思います。

液晶モニター(画像出力装置)


先ほどは、液晶画面を虫眼鏡で拡大した見える一つの光る素子が、1ドットになるとお伝えしました。

一方ピクセルとは、カラー画像を表すための最小単位ですので、どうしても赤緑青の三つを合わせたものが必要になります。

何故ならば、1ドットだけなら、赤緑青のどれか一つの色しか表現できないからです。

ですので液晶モニターの場合、赤緑青の三つのドットを一つまとめたものが1ピクセルになります。


液晶モニターの場合、赤緑青のドットをまとめたものが1ピクセルになる

これでドットとピクセルの違いはかなり明確に分かってきて頂いたと思うのですが、いかがでしょうか。

ですので、液晶モニターの場合でしたら、ドットの数とピクセルの数は3倍違う事になります。

先ほどNTTPCコミュニケーションズ の記事を、引用させて頂きました。

そこにはXGA(1024×768ドット)と書かれていましたが、これは明らかな間違いで、正しくはXGA(eXtended Graphics Array)の解像度は1024×768ピクセルです。

ですので、これをドットで表すと、ピクセルの3倍になりますので、XGA(eXtended Graphics Array)の解像度は3072×2304ドットになります。

それでは次に、入力機器であるデジタルカメラやイメージスキャナ、それに出力機器のインクジェットプリンターについて説明します。

でもその前に、白黒画像の話をさせて下さい。


白黒画像であればドット=ピクセル


先ほど、液晶モニターでカラーを表現するには、どうしても3ドット必要だとお伝えしました。

では白黒画像の場合はどうなのでしょう。

もし白黒専用の液晶モニターがあったとしたら、赤緑青のカラーフィルターも必要ありませんので、液晶が1ドットあれば最小画像を表現できます。

ですので、白黒画像の場合、ドットとピクセルとは常に同じになるのです。

と言うより、白黒画像の場合、ピクセルの概念は不要と言った方が良いかもしれません。

実際ピクセルという単語が使われ出したのは、カラーのデジタル画像入出力機器が市場に出始めてからの事です。

また先ほどNTTPCコミュニケーションズ の記事にある、”ドットとピクセルは同じものです、でも違います”、と言っているのを非難しましたが、実はこれはある意味では正しいのです。(ただし正確に分類されていないという意味においては、やはり間違いです)

それではカラー画像の場合は、赤緑青の3ドット集まったものが常に1ピクセルと思って良いのでしょうか?

残念ながら、そうは言えないのです。

と言う訳で、これから少々ややこしい話になりますので、覚悟してお読み頂ければと思います。


デジタルカメラはドット=ピクセル


さて気合を入れ直して、先ずデジタルカメラのピクセルについてご説明しましょう。

デジタルカメラの撮像素子の表面には、先ほどお伝えした赤緑青のフィルターが載っていて、その下に受光素子が面状に配置されています。


デジタルカメラの場合、撮像素子の中の1素子が1ドットになる

ですので、液晶モニターの様に赤緑青(正確には赤緑青緑の4ドット)をまとめたものが、1ピクセルになります、と言いたい所ですが違うのです。

デジタルカメラの場合も1ドット=1ピクセルになるのです。

エッ!と驚かれたら、ここまでしっかり理解されている証拠ですので、安心してください。

その理由は、当然ながら1ドットでは1色の色情報しか読み取れないのですが、他の2色の色情報を周囲の別の色の素子から読み取って、1ドットでありながら3色分の色情報を持たせているからです。

こんな説明でご理解頂けるでしょうか。

この辺の詳しい話はこちらに載せいますので、もし宜しければ覗いてみて下さい。


イメージスキャナもドット=ピクセル


次はイメージスキャナです。

イメージスキャナの構造はいくつかあるのですが、下の図にあるレンズアレイを使ったものでご説明します。


イメージスキャナの場合、一列に並んだイメージセンサーの中にある1素子が1ドットになる

イメージセンサーは、デジタルカメラと違ってカラーフィルターは使っていませんし、センサーは1列に並んでいるだけです。

だったらどうやって3色の色情報を取り込んでいるかと言えば、赤緑青のLEDを順番に点灯して、それぞれの色情報を時間をずらして一つの受光素子で読み込んでいるのです。

ですので、この場合も1ドット=1ピクセルと言えます。

ただしイメージスキャナの場合、当初は白黒専用で後にカラー対応になった事もあり、ピクセルと呼ぶ事は殆どなく、白黒だろうがカラーだろうがドットと呼ぶのが一般的です。


インクジェットプリンターもドット=ピクセル


最後にインクジェットですが、これも1ドット=1ピクセルになります。

先ほどお話した様にインクの1滴が1ドットになり、3色(正確には黒を入れて4色)のインクが用紙の同じ所に着弾します。


インクジェットプリンターの場合、インク1滴が1ドットになる

このため、1ドットでカラーを表現できる事になります。

これもイメージスキャナ同様、当初は白黒専用だった流れもあり、ピクセルと呼ばれる事はなく、ドットと呼ぶのが一般的です。

これでドットとピクセルの差を明確にご理解頂けましたでしょうか?


まとめ


それではまとめです。

ドットとは、画像入出力装置において光の強弱を読み取ったり表示したりできる最小の点を指す。

②このため、デジタルカメラやイメージスキャナにおいては、フォトダイオード1素子が1ドットになり、液晶モニターは液晶の1素子が、インクジェットプリンターにおいてはインク1滴が1ドットになる。

③ピクセルとは、画像入出力装置においてカラー画像を表すための最小の点を指す。

④このため、液晶モニターにおいては赤青緑の3ドットで1ピクセルになる。

⑤ただし、デジタルカメラにおいては、1ドットに3色の色情報を持たせているため、ドット=ピクセルになる。

⑥またイメージスキャナ、インクジェットプリンターにおいては、その構造上の理由によりドット=ピクセルになる。

⑦白黒専用の画像入出力装置の場合、ピクセルの概念は必要とされない。

⑧全体をまとめると以下の様になり、液晶モニター以外はドット=ピクセルと考えて良い。

装置 種類 関係
画像入力装置 イメージスキャナ ドット=ピクセル
デジタルカメラ ドット=ピクセル
画像出力装置 インクジェットプリンター ドット=ピクセル
液晶モニター 3ドット=1ピクセル

本書がお役に立てば幸いです。




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