ドットとピクセルの違い

2019/3: 発行
2019/5:大幅改定
2020/06:更新

はじめに


ドットとピクセルの違いをご存知でしょうか?

ネットで調べると、それはもう良く分からない説明が溢れかえっていて、一体何が正しいか恐らく誰にも分からないのではないでしょうか。

という訳で、本書が今すぐ解決してみせます。


ドットとは何?


本書の解説を始める前に、ネットにおけるドットとピクセルに関する代表的な説明を見ておきたいと思います。

もし不要でしたら、この3段下の”ドットとは”に進んで下さい。

先ずドットをネットで調べると、多少の違いはあるでしょうが、以下の様な説明が出てきます。

ドットとは、基本的には「点」という意味。

たとえば、パソコンの画面は小さな光の点で表現されていて、その数(解像度)を1024×768ドットなどと書くことがある。

この場合は、横方向に1024個の光の点が、縦方向に768個の光の点が並んでいるという意味。

これはまだ分かり易いと言えますが、問題は次のピクセルです。


ピクセルとは何?


それでは次にピクセルを調べると、以下の様な説明が出てきます。

ピクセルとは画素を意味する。

パソコンの画面は、細かな光の点で表現されている。

たとえばXGA(1024×768ドット)なら、横方向に1024個、縦方向に768個、全体では786,432個の光の点が並んでいる。

この、ひとつひとつの点を画素という。

パソコンの画面は、RGB(赤、緑、青)の3色の組み合わせで色を出している。そのため、このワンセットで1画素というのが基本。

特に液晶ディスプレイの場合、そのディスプレイの標準解像度で使えばキッチリと1画素=1ドット=RGBのワンセットになる。

一方、今のCRTは解像度を切り替えられるので、必ずしも1画素=1ドットというわけにはいかない。


ドットとピクセルは同じもの?


さあ、上の二つの説明文を読んで、両者の違いを明確に理解された方はいらっしゃいますでしょうか?

笑ってしまうほど、支離滅裂と言ったら言い過ぎかもしれませんが、かなり矛盾している内容なのは間違いないでしょう。

何しろ、ピクセルの説明文の中で”1画素=1ドット”と言っていながら、次の文で”は必ずしも1画素=1ドットというわけにはいかない。”と書かれているのですから。

さらには、”今のCRTは解像度を切り替えられる”と聞いて絶句してしまいます。


今どき何処にも売っていないブラウン管(CRT)

ちなみにこの記事は、個人サイトではなく、非上場企業ながらNTTコミュニケーションズの子会社である、NTTPCコミュニケーションズの公式HPからの引用です。

日本を代表するIT企業の子会社でさえ、こんな説明なのですから、コピペばかりの個人サイトの記事でしたら、推して知るべしでしょう。

本サイトも似たり寄ったりの弱小サイトではありますが、これから間違いなく真実をお教えしますのでご安心下さい。


ドットとは


それでは本書独自の解説です。

かなり端折(はしお)った言い方かもしれませんが、ドットとは以下の様にご理解頂ければと思います。

ドットとは、画像入出力装置において光の強弱を表現できる最小単位を指す。

なお、ここでは色について全く触れていないのを不審に思われるかもしれませんが、それについては後ほど詳しく述べますので、先ずは光の強弱だけを扱うとしておいて頂けると助かります。

また、ここで言う画像入力装置や画像出力装置とは、以下の機器を指します。

分類
画像入力装置 イメージスキャナ
デジタルカメラ等
画像出力装置 液晶モニター
インクジェットプリンタ
レーザービームプリンタ等

ここまでご理解頂いた所で、それではいよいよ各画像入出力装置における1ドットをお知らせしたいと思います。


イメージスキャナ(画像入力装置)

先ずは画像入力装置の一番手として、原稿上の画像を読み取るイメージスキャナです。


Appleのイメージスキャナ

イメージスキャナの画像読み取り部には、いくつか種類があるのですが、ここでは下にある様なレンズアレイを搭載した比較的安価でシンプルなものを取り上げます。


レンズアレイを使たイメージスキャナの画像読み取り部

上記の様な構成のイメージスキャナの場合、一列に並んだイメージセンサーの中にある1つの受光素子が1ドットになります

イメージセンサーの中の1受光素子が1ドット

ちなみにイメージスキャナの仕様書に1200dpi(ドットパーインチ)と書かれていたら、上の様なイメージセンサー上に1インチ(25.4mm)当たり1200個の受光素子が並んでいる事になります。

これについては、どなたもすんなりご納得頂けるのではないでしょうか。


デジタルカメラ(画像入力装置)

続いては、入力装置の代表選手であるデジタルカメラです。


デジカメとその内部にある撮像素子

この場合、前述のイメージスキャナとは異なり撮像素子の上に赤緑青のカラーフィルターが乗っていて、その下に受光素子が面状に配置されいます。


デジタルカメラの場合、撮像素子の中の1素子が1ドットになる

ですが考え方は同じで、撮像素子の中に数千万個ある内の1受光素子が1ドットになります。


液晶モニター(画像出力装置)

次はどこのご家庭にもある、出力装置の一つである液晶モニター(或いは液晶テレビ)です。


どこのご家庭にもある液晶モニター

液晶画面を虫眼鏡で拡大した見える一つの光る素子(正確には裏面の光を液晶が透過したり遮ったりしています)が、表示できる最小単位である1ドットになります。


液晶モニターの場合、一つの光る素子が1ドットになる      

この場合も、液晶の素子の上に赤青緑のフィルターが乗っています。


インクジェットプリンター(画像出力装置)

次は、出力装置のインクジェットプリンターです。


インクジェットプリンター

この場合、表示できる最小単位はインクの一滴であり、それが1ドットになります。


インクジェットプリンターの場合、インク1滴が1ドットになる

これで各入出力機器のドットについては、スッキリご理解頂けたと思うのですが、いかがでしょうか。


ピクセルとは


それでは次にピクセルについてご説明します。

ピクセルとは、画像入出力装置においてカラー画像を表すための最小の単位(点)を指します。

今度は説明し易い事から、出力機器である液晶モニターから話をしたいと思います。

液晶モニター(画像出力装置)

先ほどは、液晶画面を虫眼鏡で拡大した見える一つの光る素子が、1ドットになるとお伝えしました。

一方ピクセルとは、カラー画像を表すための最小単位ですので、どうしても赤緑青の三つを合わせたものが必要になります。

何故ならば、1ドットだけなら、赤緑青のどれか一つの色しか表現できないからです。

ですので液晶モニターの場合、赤緑青の三つのドットを一つまとめたものが1ピクセルになります。


液晶モニターの場合、赤緑青のドットをまとめたものが1ピクセルになる

これでドットとピクセルの違いはかなり明確に分かってきて頂いたと思うのですが、いかがでしょうか。

すなわち、液晶モニターの場合でしたら、ドットの数とピクセルの数は3倍違う事になります。

ところで、先ほどNTTPCコミュニケーションズ の記事を、引用させて頂きました。

そこにはXGA(1024×768ドット)と書かれていましたが、これは明らかな間違いで、正しくはXGA(eXtended Graphics Array)の解像度は1024×768ピクセルです。

ですので、もしこれをドットで表すと、ピクセルの3倍になりますので、XGA(eXtended Graphics Array)の解像度は3072×2304ドットになります。

それでは次に、入力機器であるデジタルカメラやイメージスキャナ、それに出力機器のインクジェットプリンターについてご説明したいと思います。

でもその前に、白黒画像の話をさせて下さい。

この話を聞いておけば、このドットとピクセルの違いをより正確に理解できると思います。


白黒画像であれば1ドット=1ピクセル


先ほど、液晶モニターでカラーを表現するには、どうしても3ドット必要だとお伝えしました。

では白黒画像の場合はどうなのでしょう。


白黒画像の場合はどうなる

もし白黒専用の液晶モニターがあったとしたら、赤緑青のカラーフィルターなど必要ありませんので、液晶が1ドットあれば最小の白黒画像を表現できます。

ですので、白黒画像の場合、ドットとピクセルとは常に同じになるのです。

と言うより、白黒画像の場合、ピクセルの概念は不要と言った方が良いかもしれません。

実際ピクセルという単語を耳にしだしたのは、カラーのデジタル複写機が市場に出始めた1980年代後半頃ではないでしょうか。

キヤノン ピクセルDIOのテレビCM(1989年放映)

すなわち、カラーのデジタル入出力機器が出現する前は、ピクセルという単語は誰も知らなかったのです。

また先ほどNTTPCコミュニケーションズ の記事にある、”ドットとピクセルは同じものです、でも違います”、と言っているのを非難しましたが、実はこれはある意味では正しいのです。(ただし正確に分類されていないという意味においては、やはり間違いです)

それではカラー画像の場合は、いずれも赤緑青の3ドット集まったものが常に1ピクセルと思って良いのでしょうか?

残念ながら、そうは言えないのです。

と言う訳で、これから少々ややこしい話になりますので、覚悟してお読み頂ければと思います。


デジタルカメラは1ドット=1ピクセル


さて気合を入れ直して、次にデジタルカメラのピクセルについてご説明しましょう。

デジタルカメラの撮像素子の表面には、先ほどお伝えした赤緑青のフィルターが載っていて、その下に受光素子が面状に配置されています。


デジタルカメラの場合、撮像素子の中の1素子が1ドットになる

ですので、液晶モニターの様に赤緑青(正確には赤緑青緑の4ドット)をまとめたものが、1ピクセルになります、と言いたい所ですが違うのです。

デジタルカメラの場合も1ドット=1ピクセルになるのです。

エッ!と驚かれたら、ここまでしっかり理解されている証拠ですので、安心してください。

その理由は、当然ながら1ドットでは1色の色情報しか読み取れないのですが、他の2色の色情報を周囲の別の色の素子から読み取って、1ドットに3色分の色情報を持たせているのです。

こんな簡単な説明でご理解頂けるでしょうか。

この辺の詳しい話はこちらに載せていますので、もしもう少し詳しく知りたい方は覗いてみて頂ければと思います。


イメージスキャナも1ドット=1ピクセル


次はイメージスキャナです。

これについても、先ほどのレンズアレイを使ったものでご説明します。


レンズアレイを使たイメージスキャナの画像読み取り部

イメージセンサーは、デジタルカメラと違ってカラーフィルターは使っていませんし、センサーは1列に並んでいるだけです。

だったらどうやって3色の色情報を取り込んでいるかと言えば、赤緑青のLEDを順番に点灯して、それぞれの色情報を時間をずらして一つの受光素子で読み込んでいるのです。

ですので、この場合も1ドットが3色の情報を持っていますので、1ドット=1ピクセルと言えます。

ただしイメージスキャナの場合、当初は白黒専用で後にカラー対応になった事もあり、ピクセルと呼ぶ事は殆どなく、白黒だろうがカラーだろうがドットと呼ぶのが一般的です。


インクジェットプリンターも1ドット=1ピクセル


最後にインクジェットですが、これも1ドット=1ピクセルになります。

先ほどお話した様にインクの1滴が1ドットになり、3色(正確には黒を入れて4色)のインクが用紙の同じ所に着弾します。


インクジェットプリンターの場合、インク1滴が1ドットになる

このため、1ドットでカラーを表現できる事になります。

これもイメージスキャナ同様、当初は白黒専用だった流れもあり、ピクセルと呼ばれる事はなく、ドットと呼ぶのが一般的です。

これで、ドットとピクセルの差を明確にご理解頂けたのではないでしょうか?


まとめ


それではまとめです。

ドットとは、画像入出力装置において光の強弱を読み取ったり表示したりできる最小の単位(点)を指す。

②このため、デジタルカメラやイメージスキャナにおいては、1つの受光素子が1ドットになり、液晶モニターは液晶の1素子が、インクジェットプリンターにおいてはインク1滴が1ドットになる。

③ピクセルとは、画像入出力装置においてカラー画像を表すための最小の単位(点)を指す。

④このため、液晶モニターにおいては赤青緑の3ドットで1ピクセルになる。

⑤ただし、デジタルカメラにおいては、1ドットに3色の色情報を持たせているため、1ドット=1ピクセルになる。

⑥またイメージスキャナ、インクジェットプリンターにおいては、その構造上の理由により1ドット=1ピクセルになる。

⑦白黒専用の画像入出力装置の場合、ピクセルの概念は必要とされない。

⑧全体をまとめると以下の様になり、液晶モニター以外は1ドット=1ピクセルと考えて良い。

装置 種類 関係
画像入力装置 イメージスキャナ
デジタルカメラ
1ドット=1ピクセル
画像出力装置 インクジェットプリンタ
レーザービームプリンタ
1ドット=1ピクセル
液晶モニター 3ドット=1ピクセル

本書がお役に立てば幸いです。




ドットとピクセルの違い



関連記事

画像サイズ(記録画素数)と画質の話

デジカメの画素数とモニターの解像度の関係

デジカメの画素数とプリンターの解像度との関係

デジカメの画素数とプリンターとモニターの解像度の関係




ご意見、ご感想等ありましたら是非こちらに。
Your response would be highly appreciated.





ホーム頁へ戻る

サイト紹介

写真やカメラに関するコンシューマレポート、テクニカルレポートは各種ありますが、ここでは余り知られていない耳寄りな情報を、小学生にも分かる様に平易にお伝えしたいと思います。

徐々に更新していきますので、もし宜しければ珈琲でも飲みながらお楽しみ下さい。



▼ 1. デジカメ技術講座
▼ 2. 撮影講座
▼ 3. デジカメ便覧
▼ 4. デジタル一眼の最新情報
▼ 5. ストロボ
▼ 6. 星空撮影
▼ 7. 番外編
▼ 8. ボケ易い単焦点レンズのベスト15