EOS Rのがっかりした点27連発

2019/6/20:発行
2020/10/09:最終更新


目次



11. 意味不明の測光タイマー

2019/6/21:追記

EOS Rを使って最も面食らったのが、測光タイマーです。

ソニーのα7シリーズにはこんなタイマーは無いのですが、マニュアルを見ても以下の様な事しか書かれていません。


ですので、これをデフォルトの8秒に設定し、シャッターボタンを半押しすると8秒間露出値を表示して、同時にAEロックされるのかと思いきや、そうではありません。

これは、測光タイマーを呼び出すボタンによって、以下の様に全く異なる動作を行なうのです。

①一度シャッターボタンを半押しして、それから指を離してから8秒間、ファインダー上にリアルタイムの露出値を表示する。(AEロックはしない)

②AEロックボタンを単押しすると、8秒間AEロックし、8秒を超えるとAEロックを解除する。(ただしAEロック・ホールドに設定すると、再度AEロックボタンを押すまでAEロックを継続)

ですので①の場合、シャッターボタンから指を離して8秒の間に、カメラを別の所を向けると(AEロックする事なく)露出値はそれに追随して変化するのです。

何だか良く分からないタイマーですが、このタイマーの最大の問題点は、タイマーが切れると現在の露出値が不明なだけでなく、露出補正もできなくなる事です。

タイマーが切れる度にシャッターボタンを半押しして、タイマーを起動して露出補正をしなければならないのはストレス以外の何物でもありません。

色々調べてみると、この測光タイマーはEOSの一眼レフにも搭載されており、どうやら一昔前の露出計のスイッチの流れを汲んでいる様です。


New F-1の露出計スイッチ

上はNew F-1の露出計スイッチですが、NORMALにするとシャッタボタンを半押ししているときだけ露出計がONし、HOLDにすると10秒間ONし続けます。

恐らくこの辺が、測光タイマーのルーツではないでしょうか。

ですがミラーレス機の場合、常時撮像素子の画像を読み取っているのですから、露出計が常に働いているのと同じ様なものです。

にも関わらず、敢て測光タイマーなる(一眼レフの機能)をミラーレス機に持ち込んでいるのです。

ちなみに入門機扱いになるミラーレス機のEOS Kiss MやEOS M5には、測光タイマーなどありません。


EOS Kiss MとEOS M5には、測光タイマーは存在しない

これって、どう考えてもおかしくありませんか?

次期機種においては、この測光タイマーを削除してほしいものです。

もっと具体的に言えば、常時露出値を表示してほしいという事です。


12. 意味不明のLOCKボタン

2019/7/20:追記

意味不明な物はもう一つあります。

それはカメラ本体右肩の一等地にある、既にお伝えしたLOCKボタン(マルチ電子ロックボタン)です。


今まで一度も使った事のないLOCKボタン

これは、メイン電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、マルチファンクションバー、コントロールリングをロックして、不用意に設定が変わらない様にするものです。

目的は理解できるのですが、こんなものいつ使うのでしょう。

撮影中は、当然ながら全ての操作ダイヤルは有効にしておかなければなりません。

移動中は電源をOFFすれば良い事です。

では一体いつ、このLOCKボタンを使う必要があるのでしょう?

更に驚くべきは、このLOCKボタンには別の機能を登録する事はできないのです。

一生使わないボタンが存在しているなんて、正に絶句です。


13. 表示されない被写界深度

2019/6/22:追記

これもかなり期待していたのですが、裏切られました。

EOS Rにおいては、撮影距離をファインダー内に表示してくれる様になりました。

ですので当然被写界深度も表示してくれると思ったのですが、残念ながらそこまでは表示してくれません。


EOS Rの撮影距離表示

ちなみにフジフィルムのX-T3などのミラーレス機は、しっかり被写界深度まで表示してくれます。


フジフィルムX-T3の距離指標と被写界深度表示

マウント部の接点数も増やして、通信プロトコルも変更して、レンズと高速通信できる様になったと豪語するのでしたら、何とか被写界深度まで表示してほしいものです。

なおニコンのZシリーズもそれらしい白い帯(フォーカス距離指標)が表示されるのですが、これは単なる距離によって伸び縮みするだけのバー(指標)で被写界深度表示ではありませんでした。


Nikon Z7のフォーカス距離指標

またソニーのミラーレス機には、この様な距離系表示は一切ありませんので、それらと比べれば優れていると言えるかもしれません。


14. 明るいと見えないファインダーとモニター

2019/6/24:追記

次なる問題点は、明るいと見えないファインダーとモニターの話です。

恐らく一般的な使用環境でしたら、特に不平は無いでしょうが、晴れたビーチでモニターを覗くと、殆ど画像が見えません。

一方ソニーのα7シリーズに使われているWhiteMagicと呼ばれる液晶は、RGBのフィルターに白の画素を追加する事によって、晴天時の視認性を上げています。


RGBW配列の昼までも明るい液晶パネル

実際、眩しいほどの真夏のビーチでも、液晶の明るさを屋外晴天モードにすると画像をくっきり見る事ができます。

またα7シリーズにおいては、サングラスを掛けたままでもファインダーを覗いて不都合は無いのに、EOS Rの場合ですとかなり暗く感じます。

更にα9においては、α7R IIのファインダーに対して2倍の輝度アップを図ったとありますので、モニターやファインダーの輝度については、5年以上も先行したソニーとキヤノンとの差を感じないではいられません。

次期EOS Rにおいては、是非この辺も考慮してほしいものです。


15. 是非ほしい絞りブラケットとフォーカスブラケット

2019/6/28:追記

ご存知の様にEOS Rと共に発売されたRFレンズには、非常に高価な大口径ズームレンズや大口径単焦点レンズがあります。

 
大口径ズームレンズのRF 28-70mm F2 L USM

となると、当然EOS Rはそれらの被写界深度の浅い大口径レンズを開放で使う事を考慮して然るべきだと思うのですが、残念ながら絞りブラケットもフォーカスブラケットも搭載していません。

もし絞りブラケットがあれば、絞り値を数段ずらして連続撮影できますし、フォーカスブラケットがれば合焦距離を数段ずらして連続撮影できます。

そんな事を言うと、大口径レンズを絞り開放で撮るには、マニュアルフォーカスでじっくりピントを合わせて撮らなければならないというご意見もあるでしょう。

ですがそうは言っても、後でどうやっても修復できないピンボケのリスクは可能な限り減らしたいものです。

増してや人物撮影の場合、完全に止まっていてくれれば良いのですが、実際には僅かながら前後にも動いていますので、シャッターを押す瞬間にピントがずれる可能性は十分あるのです。

実際、Lumix Sシリーズには両ブラケット機能が備わっていますし、第二世代のα7シリーズまでは有料ですが絞りブラケットの機能を追加する事ができました。

 
絞りブラケットとフォーカスブラケットを搭載したLumix S1

普及レンズよりポートレートを意識した大口径レンズを矢継ぎ早にリリースするキヤノンなのですから、是非とも両ブラケット機能を搭載してほしいものです。


16. 敏感過ぎる水準器

2019/7/1:追記

当然ながら本機にも水準器が搭載されています。

ところがその水準器が非常に敏感なのです。


敏感過ぎるEOS Rの水準器

何方も経験があると思うのですが、例え人物写真であっても、いざ背景を水平に合わせて撮ろうとして水準器を直視すると、ついついカメラを水平にする方に気が行ってしまいます。

そんな時に水準器がやたらと敏感だと、思わず人物の表情そっちのけで、無用な労力をカメラの水平合わせに使ってしまうのです。

ソニーのα7シリーズですと、水準器の感度が絶妙で、一度カメラを水平をしたら、意外にそこで表示が留まってくれます。

と、ここまで書いてハタッと思い至った事があります。

もしかしたらα7シリーズの水準器が安定しているのは、ボディー内手ブレ補正でローリング方向のブレを抑えられるからではないでしょうか?

もしそうだとしたら、明らかにα7シリーズの方が優れていると言えます。

となるとEOS Rの水準器は、ボディー内手ブレ補正が搭載されるまで、このままかもしれません。


17. 顔認識AFだと表示されない水準器

2019/8/1:追記

これも驚きではないでしょうか?

今頃になってようやく気が付いたのですが、顔認識AF(顔+追尾優先AF)の場合、水準器が表示されないのです。

初めの内は、どこかで設定を間違えたのかと思っていたのですが、何をどうやっても表示されないのです。

念のため操作マニュアルを調べてみると、下の様に確かに顔認識AF時に水準器は表示されないと書かれています。


なぜなのでしょう?

バックに水平線のある人物写真は、撮った後にひたすら水平を直す事になります。

なぜこんな仕様を許可したのでしょうか?


18. 前画像が見れない撮影画像

2019/8/1:追記

これも問題でしょう。

ミラーレス一眼の場合、撮影後の数秒間、撮った写真をファインダー(もしくは背面モニター)に表示する事が可能です。

ところが、撮影画像が表示されている間に前の画像を見ようと、◀ボタンを押しても受け付けてくれないのです。

ですので、前の画像と見比べるためには、一度再生ボタンを押さなければいけないのです。

既に再生画像が表示されているのに、再生ボタンを押さなければならないとは、情けないの一言です。

ではこの間は何もコマンドを受け付けてくれないのかと言えばそうではなく、拡大ボタンを押すと、画像は拡大されるのです。

撮影直後における撮影画像表示中も、画像再生中と同じ様に画像の戻しと送りはできる様にすべきでしょう。


19. 縦線しか検知できないAF


事前に分かっていた事とは言え、やはりこれも指摘しておかなければいけないでしょう。

ご存知の様にEOS RはデュアルピクセルCMOS AFを採用していますので、数万個のAFセンサーを撮像素子上に配置した一般的な像面位相差AFより測距点の多さやAF精度は上回っています。

ですが、いざ使い込んでみるとやっぱり縦線しか検知できないのは辛(つらい)い。

今どきの一眼レフでしたら、(測距点は少ないとは言え)入門機のEOS Kissでさえ縦線と横線が検知できるクロスAFセンサーを搭載しているのです。


全45点クロスAFセンサーを搭載したEOS Kiss X9i

にも関わらず、上位機種であるEOS Rにおいては、被写体に横線しかなくてわざわざカメラを傾けてAFを働かせるのは苦痛としか言い様がありません。

ですので、誰がどう考えても明らかに測距性能は一眼レフの方が上なのです。

早急に縦横線が検知できるクアトロピクセルCMOS AFを実用化するか、さもなければ中央だけでもクロス測距可能なAFセンサーを埋め込むべきではないでしょうか。


20. 無駄でチグハグなM-FnボタンとQボタン

2019/9/22:追記

どうも無駄でチグハグに感じるのが、M-Fn(マルチファンクション)ボタンとQ(クイック設定)ボタンです。

似た様な機能のボタンが2つある理由は一体何なのでしょう。

先ずM-Fnボタンですが、これは下の説明図にある様にISO感度やドライブモード等を調整できます。



一方背面にあるQボタンを押すと、下の図の様にその時の表示形式によって2種類の設定画面になります。


Qボタンを押して表示される設定画面1(左)と設定画面2(右)

これらの設定できる項目を表にすると以下の様になります。

設定項目\呼出方法 M-Fnボタン
(注)
Qボタン
設定画面1
Qボタン
設定画面2
ISO感度
ドライブモード
AF動作
WB
露出補正
ストロボ調光補正
露出モード
ピクチャースタイル
AF設定
フリッカー
画像サイズ
オプティマイザ
クロップ
その他
注:8項目中5項目を選択して登録可能

この表を見て、どう思われるでしょうか?

恐らく頻繁に変更する可能性が高い項目がM-Fnボタンに登録されており、Qボタンはそれよりもっと多い項目を選択できる様になっているのでしょう。

ですが似た様な機能のボタンを二つ設けるというのは、ここ数年他社機(ソニーのα7シリーズ)を使ってきた身からすると、かなり無駄な仕様に思ってしまいます。

これもまた、キヤノンの一眼レフから引き継がれている仕様の様です。

また”マルチファンクション”と”クイック”という名称自体も、しっくり来ません。

むしろ5項目しか選択できない方を、クイックと呼ぶべきではないでしょうか。

おまけにM-Fnボタンを押した後の選択は、カメラ上部の電子ダイヤルでしかできず、背面にある上下左右ボタンでは一切操作できないのです。

もしかしたらファインダーを覗いた状態ならば、電子ダイヤルで操作できた方が便利と言われるかもしれませんが、それなら上下左右ボタンでもファインダーを覗いたまま親指だけで操作できます。

なぜ両方で操作できる様にしなかったのでしょうか?

実際クイック設定の場合は、近くにある上下左右ボタンと電子ダイヤルの両方で操作できるのです。

更にです。

設定画面1の場合、何故か良く使うISO感度と露出補正とストロボ調光補正がなく、その代わりに滅多に使わないと思われるフリッカーやクロップの切り替えが登録さており、クイック設定2ではフリッカーとクロップが無くなっています。

どういう思想に基づいてこの機能は選択されているのでしょうか?

誰がどう考えてもこの二つのボタンがあるのは無駄で、且つ中身がチグハグに思うのですが、いかがでしょうか?




11. 意味不明の測光タイマー/EOS Rのがっかりした点27連発




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