暗闇に強い
フルサイズ高感度カメラベスト10(2020年版)

2020/8/20:発行

はじめに


今年に入って新たに高感度のフルサイズ機が数台発売された事に伴い、前回に引き続き2020年版のフルサイズ高感度カメラのベスト10を調べてみました。


星空撮影は高感度カメラほど有利

星空撮影や、夜間撮影に有利なカメラをご検討中の方は、是非参考にして頂ければと思います。

なお今回は、同じ最大常用ISO感度の機種を1グループとして扱い、最後に本書独自の順位を付けてみました。

どんな結果になるかお楽しみに。


最大常用ISO感度


ご存知の様に増感(拡張)を入れた最大ISO感度は、非常用もしくは特殊な用途での使用になりますので、本書ではそれより現実的な最大常用ISO感度の高い機種を高感度カメラの指標として扱いたいと思います。

このため、ISO感度のスパンを棒グラフにして、それを最大常用ISO感度順に並べたのが、以下のチャートになります。


フルサイズデジカメのISO感度スパン(最大常用ISO感度順)

これをご覧頂きます様に、最大常用ISO感度は、102,400/51,200/40,000/32,000/25,600/それ未満の6グループに大別できます。

ただし上位2グループで既に10機種を超えてしまいますので、今回はこの102,400と51,200の2グループだけを取り上げて順位付けしてみたいと思います。

なおペンタックスのK-1 IIと初代K-1につきましては、他社機と異なり増感域を含めて常用ISO感度としています。

 
全域常用ISO感度として扱っているペンタックK-1 II(3,600万画素)

このため、3,600万画素のK-1 IIにつきましては最大常用ISO感度を32,000、同じく3,600万画素の初代K-1については 最大常用ISO感度を25,600と想定してチャートを作成しています事、ご容赦願います。


第1グループ(最大常用ISO感度102,400)


上のチャートをご覧頂きました様に、このクラスには以下の5機種が存在しています。


Nikon D6

EOS-1DX III

SONY α7S III

SONY α7S II

EOS R6

なお最大常用ISO感度が102,400だと言っても、それでもやはり暗部には相応のノイズが発生します。

このため幣サイトでは、一般的な使用に耐える最大有効ISO感度は、最大常用ISO感度の1/8程度だと見積もっています。

となると、このクラスですとISO12,800が使えますので、星と人物の写真も簡単に撮れてしまいます。


α7S F2.8 6秒 ISO12,800

どの機種にするかは、値段と好みで選んで頂ければ良いとは思うのですが、簡単に解説をしておきます。

機種
(発売日)
解説
Nikon D6
(2020/6)
ご存知の通りNikon D6はニコンの最新フラッグシップですが、撮像素子は先代のD5と同じ2000万画素品を使用しています。
ですので、高感度に関する性能はD5と同じと言えますので、高感度の最新機という観点からすると、他モデルを選んだ方が良いかもしれません。
なお本機は、背面ボタン等に夜間撮影用のイルミネーション機能を備えているのも特徴です。
EOS-1DX III
(2020/2)
EOS-1DX IIIは先代と同じ2000万画素ながら、撮像素子も映像エンジンも一新され、常用ISO感度もアップしました。
またNikon D6と同様に筐体が大きいので、昇温に伴うノイズも低減されます。
SONY α7S III
(2020/9)
SONY α7S IIIは本書作成時点では未だ発売されていない、ソニーの最新鋭機です。
画素数が1,200万画素と断トツの少なさで、更に裏面照射型撮像素子を採用した事もあり、高感度特性の素性としては、トップと言っても良いでしょう。
と思ったのですが、仕様書を見ると先代のα7S IIと同じ最大常用ISO感度になっています。
低感度を動画対応のためか、ISO80に設定したのが効いているのかもしれません。
SONY α7S II
(2015/10)
SONY α7S IIは、2015年発売ですので、カメラ全体の性能から見ると、他のモデルよりかなり遅れているのは間違いありません。
実際、今どきコントラスAFしか搭載していないのは、かなりのマイナス点です。
ですがその分お安くなっていますので、廉価で高感度カメラとなれば本機になります。
EOS R6
(2020/8)
本書の一押しがこのEOS R6になります。
撮像素子は2000万画素ですので、理論上1,200万画素のα7S IIIより高感度特性は劣る筈なのですが、何と言っても従来門外不出だったEOS-1DX IIIと同じ撮像素子を採用した事から、高感度トップクラスに入ってきました。
何より、α7S IIIより10万円近くお安いのですから、こちらを選ばない手はないでしょう。

この中で本書のお勧めは、従来でしたら1,200万画素と断トツの低画素機で、裏面照射型撮像素子を採用したα7S IIIをお勧めする所ですが、今回は違います。

高感度トップクラスにおける本書の一押しは、2000万画素で尚且つ表面照射型撮像素子を採用しながら最大常用ISO感度102,400を達成し、尚且つこの中では最も安価なEOS R6です。


第2グループ(最大常用ISO感度51,200)


続いては、最大常用ISO感度51,200の第2グループです。

従来このグループは、ソニー製の裏面照射型で2,400万画素の撮像素子搭載機のオンパレードだったのですが、今回は地殻変動が起きています。

それについては後ほどお伝えするとして、先ずは対象機種を眺めておきましょう。


EOS-1DX II

LUMIX S1

NIKON Z6

SONY α9 II

SONY α9


SONY α7 III

NIKON D780

EOS R5

Nikon Z5

このグループこそ、値段と好みで選んで頂ければと思うのですが、既にお伝えしました様に新規参入機種が地殻変動を引き起こしていますので、簡単に解説をしておきます。

機種
(発売日)
解説
EOS-1DX II
(2016/4)
1世代前のキヤノンのフラッグシップ機。
α9 IIより安い事を考えると、1度は使ってみる価値はあるかも。
LUMIX S1
(2019/3)
殆ど目立たないが、カメラの堅牢さや基本性能の高さ、更に使い勝手においては、ミラーレス一眼ではトップクラス。
またLumixブランドの純正Lマウントレンズは少ないものの、Lライングループの高価なライカ製や廉価なシグマ製を入れるとレパートリーは既に豊富に揃っている。
NIKON Z6
(2018/11)
ここからNikon D780までは、前述したソニー製裏面照射型2,400万画素の撮像素子を搭載したモデルになります。
ですので、もしニコンブランドのミラーレス一眼にこだわるのならこのモデルになります
SONY α9 II
(2019/11)
SONY α9
(2017/5)
ソニーのフラッグシップ機。
もし無音の20枚連写が好みならば、このモデル。
SONY α7 III
(2018/3)
一時はミラーレス一眼のスタンダードと呼ばれたモデル。
NIKON D780
(2020/1 )
電池が長持ちする一眼レフがお望みでしたら、このモデル。
ライブビュー機能を使えば、NIKON Z6とほぼ同じ性能が引き出せる。
EOS R5
(2020/7)
キヤノン製の撮像素子を搭載。
4500万画素の高画素機でありながら、ISO感度51,200を達成した従来の常識を覆したモデル。
Nikon Z5
(2020/8)
撮像素子のメーカーは不明ながら、2,400万画素の表面照射型撮像素子でありながらISO感度51,200を達成し、このクラスでの最低価格を実現したモデル。

上表をご覧頂きましたら、本書のお勧めは既にお察し頂いている事でしょう。

もし4500万画素クラスで高感度機をお望みでしたら、迷わずEOS R5です。

そして、もし2,400万画素クラスの高感度機をお望みでしたら、迷わずNikon Z5です。

表面照射型撮像素子を搭載したこの2機種が、このグループに地殻変動を起こしたと言っても、大袈裟でない事をご理解頂けると思います。


まとめ


それではまとめとして、本書が勝手にランク付けしたフルサイズ高感度カメラのベスト10は以下の通りです。

順位 機種 画素数 最大常用
ISO感度
最大有効
ISO感度
1位 EOS R6
EOS-1 DX III
2,010万 102,400 12,800
3位 SONY α7S III 1,220万
4位 Nikon D6
Nikon D5
2,082万
6位 SONY α7S II 1,220万
7位 EOS R5 4,500万 51,200 6,400
8位 Nikon Z 5 2,430万
9位 SONY α9
SONY α9 II
SONY α7 III
Nikon Z6
LUMIX S1
2,420万
2,420万
2,420万
2,450万
2,420万

特に本書のお勧めは、太字の3機種です。

こんな感じで、お役に立ちましたでしょうか。




暗闇に強いフルサイズ高感度カメラベスト10





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