お勧めポートレート用レンズ
(ボケ易い単焦点レンズのベスト15)

2015/4: 初版
2019/1: 更新


第12位:50mm F1.2

上半身撮影距離:1.2m
第12位は50mm F1.2です。


AI Nikkor 50mm f/1.2S


EF50mm F1.2L USM


RF50mm F1.2 L USM

これもニコンとキヤノンから発売されていますが、残念ながらニコンのレンズはマニュアルフォーカスです。

キヤノンはAFですが、価格が高い割にはボケ量はそれ程ではないため、残念ながらさほどお勧めとは言えません。

と今までは言っていたのですが、2018年10月にキヤノンからミラーレス一眼用のRF 50mm F1.2L USMが発売されましたので、心を入れ替えて詳細を載せてみました。


AI Nikkor 50mm f/1.2S


先程お伝えしました様に、ニコンは依然マニュアルフォーカスの50mm F1.2を発売しています。


AI Nikkor 50mm f/1.2S(1981/9発売)
最短撮影距離 フィルター径 サイズ 質量
0.5m 52mm φ69mm×59mm 360g
ピント機構 マニュアルフォーカシング
絞り羽根 9枚
操作性等 距離目盛、被写界深度表示、絞り環有り

この理由は、数十年間も頑なに維持された44mm径のニコンFマウントでは、F1.2を達成するのが精一杯で、とてもAFに対応できる様な光学的な余裕がなかった事は想像に難くありません。

それでもニコンユーザーの為に、マニュアルフォーカスレンズを作り続けるニコンの姿勢には頭が下がります。

生憎MTFのデータはありませんが、それでとやかく言う必要もないでしょう。

なおニコンのミラーレス一眼用であるZマウントレンズのロードマップによれば、2020年に50mm F1.2レンズが登場するそうです。


Zマウントレンズのロードマップ

どんなレンズが登場するか、今から楽しみです。


Canon EF50mm F1.2L USM


そして次にご紹介するのは、2007年に発売されたCanon EF50mm F1.2L USMです。


Canon EF50mm F1.2L USM

EF50mm F1.2L USM(2007/1発売)
最短撮影距離 フィルター径 サイズ 質量
0.45m 72mm φ86mm×66mm 590g
AFモーター リングUSN(超音波モーター)
レンズ 大口径非球面レンズ採用
絞り羽根 8枚
操作性等 フルタイムマニュアルフォーカス採用
防塵・防滴構造

キヤノンもニコンと同様にマニュアルレンズ時代から50mm F1.2(New FD50mm F1.2LとNew FD50mm F1.2)レンズをリリースしていますが、EFレンズは全くの新設計になります。


1980年に発売されたNew FD50mm F1.2L

ただしMTFについては、これだけ見ると、残念ながら余り良いとは言えません。


EF50mm F1.2L USMのMTFチャート

ただし下にあります自社の(標準中の標準と言われた)EF50mm F1.4のMTFと比べれば、十分過ぎるほど健闘していると言えるでしょう。


EF50mm F1.4 USMのMTFチャート

ですが、キヤノンの底力はそんなものではありません。


RF50mm F1.2 L USM


本カテゴリーの最大の目玉はこれでしょう。

2018年に発売された、Canon RF50mm F1.2 L USMです。


Canon RF50mm F1.2 L USM

RF50mm F1.2 L USM(2018/10発売)
最短撮影距離 フィルター径 サイズ 質量
0.4m 77mm φ90mm×108mm 950g
AFモーター リングUSN(超音波モーター)
レンズ 非球面レンズ、UDレンズ、
コーティング フッ素コーティング、
ASC(Air Sphere Coating)
絞り羽根 10枚
操作性等 フルタイムマニュアルフォーカス
コントロールリング搭載、防塵・防滴構造

上の表をEF50mm F1.2L USMと比べると、大きさ以外は、最短撮影距離から、絞り羽根の枚数に至るまで、徹底して旧来のEF50mm F1.2L USMを超える事を目指して開発されたのが分かります。

そして驚くべきは、そのMTFです。


RF50mm F1.2 L USMのMTFチャート

この世の物とは思えない程と言うと言い過ぎでしょうが、前述のEF50mm F1.2L USMと比べれば格段に良くなっています。


EOS R + RF50mm F1.2L USM(F1.2 1/500秒 ISO6400)

また比較的評判の高い、シグマのArtレンズである50mm F1.4 DG HSMの開放(下図参照)と比べても、良い値です。


SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM

当初30万円以上もするブランニューレンズですので、当然と言えば当然なのかもしれませんが、技術の進歩には驚かされます。

それと共に、何故キヤノンのミラーレス一眼の発売が2018年にまで持ち越されたのかの理由も、何となく分かる様な気がします。

当然ながらカメラ本体の性能も重要ですが、もっと大事なのは、やはりレンズの性能なのかもしれません。


50mm F1.2の使い方


さてボケの観点から見れば、むしろボケ難いと言える50mm F1.2レンズですが、ではどう使いこなせば良いのでしょうか。

先ず本レンズの最大のアドバンテージと言えるのは、他のボケ易いレンズと比べて、画角が広いという事です。

ですので、全身を撮影するのに50mmレンズであれば4m離れれば撮れるのですが、85mmレンズの場合でしたら6.8mも離れなければなりません。


50mm F1.2レンズ(被写体までの距離4m)

またもし4m以上被写体から離れられない場合、85mmレンズの場合、以下の様に膝上までしか撮れないのです。


85mm F1.2レンズ(被写体までの距離4m)

ただし背景が遠い場合、当然ながら85mmレンズの方が背景がボケ易いのは間違いありません。

ところが面白い事に、(被写体までの距離を調整して)被写体を同じ様な大きさの全身像にし、更に背景まで0.5mとした場合、背景のボケ量は85mmレンズとかなり似た大きさになります。


被写体を全身撮影し、被写体から背景までの距離が0.5mの場合のボケ量

ですので、強いて言えばスタジオの様にワーキングスペースが限られる場所で、白壁の前で全身像を撮影する場合に本レンズは向いていると言えるかもしれません。


17. 第12位:50mm F1.2





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