2021年度版
暗闇に強い小サイズ高感度カメラベスト10

2021/05/20:発行


はじめに


高感度のカメラとなれば、当然撮像素子が大きなフルサイズ機が良いのですが、小型軽量のAPS-Cサイズ機以下のカメラもそれなりに魅力があります。

となるとその中でも高感度のカメラはどの機種になるのでしょう。

そんな訳で、APS-Cサイズ以下の撮像素子を搭載した小型カメラにおいて、最大常用ISO感度の高い順にランク付けしてみました。

もし小サイズ機で高感度な機種をお探しの方がありましたら、参考にして頂ければと思います。


概要


それでは早速、最大常用ISO感度順に並べた小サイズ機のISO感度スパンをお見せします。


小サイズ機のISO感度スパン

このチャートをご覧頂きます様に上位はAPS-Cサイズ機で、当然ながら下にいくにつれて撮像素子が小さくなっていくのが分かります。

また余計な事かもしれませんがすが、チャートの上段を占めるAPS-Cサイズ機の場合、フルサイズ機で一般的な減感によるISO100未満の設定がありません。

これは、恐らく増幅回路のゲインを上げ気味にして、高感度を優先しているからのでしょう。

更に下段にあるマイクロ4/3機以下の機種は、常用ISO感度をISO200前後にまで上げて、更に高感度を優先している事が分かります。

そしてここで気なるのは、フジフィルムのXシリーズです。

ご存知の様にフジフィルムのXシリーズはAPS-Cサイズ機なのですが、最大常用ISO感度はマイクロ4/3機よりも劣るのです。

もしかしたら X-Trans CMOS 4センサーと呼ばれる独特の配列のカラーフィルターを採用しているせいかと思いきや、一般的なベイヤー配列であるX-A7も低感度です。

ISO感度については、フジフィルムにおいては他社機と異なる思想があるのかもしれません。

またペンタックス機においては、他社と異なり全域常用ISO感度の表示をしているため、ここでは作例から判断して順位付けしています。


第1位:パナソニック(最大常用ISO感度51,200)


第1位はパナソニックのLumix GH5Sです。


プロ用動画機能を搭載した高感度モデルDC-GH5S

ご存知の通りパナソニックのLUMIX Gシリーズは、APS-Cサイズより更に一回り小さい4/3(フォーサーズ)と呼ばれる撮像素子を採用しています。


APS-Cサイズと4/3(フォーサーズ)の比較(1:0.61)

ですが、本機は1000万画素の撮像素子を採用する事によって、計算上は後述する2000万画素のAPS-Cサイズ機より1画素が大きいのです。

具体的には、本機のフルサイズ機換算の画素数は4000万画素なのに対して、2000万画素のAPS-Cサイズ機は4600万画素になります。

さらに、低感度用と高感度用の2系統のアナログ回路を搭載するデュアルネイティブISOテクノロジーを専用する事により最大常用ISO感度51,200を達成しています。

なお最大常用ISO感度は51,200ですが、その1/8が概(おおむ)ね最大ノイズが少なく一般的に使える最大ISO感度である有効ISO感度になりますので、本機の場合最大有効ISO感度はISO6,400程度と言えます。


第2位:Nikon D500(最大常用ISO感度51,200)


続いて第2位は、ニコンのNikon D500とNikon Z 50です。


APS-Cサイズの撮像素子を搭載したニコンのフラッグシップ機 Nikon D5(2,000万画素)

先ずD500はAPS-Cサイズの撮像素子を搭載したモデルながら、ニコンのフラッグシップであるNikon D5のコンポーネントを多数流用しており、古いながらもAPS-Cサイズ機におけるプロ用モデルと言っても過言はないでしょう。

画素数は2,000万画素と、一般的なAPS-Cサイズ機の2,400万画素より感度的には有利なのですが、それでも最大常用ISO感度51,200を達成しているのは立派です。

またZ 50は、APS-Cサイズのミラーレス機なのですが、D500と同じ撮像素子を使っています。

 
Nikon Z50 + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

ただし増感ISO感度が204,800と、D500の1640,000より控え目になっています。


第3位:PENTAX K-3 Mark III(最大常用ISO感度51,200)


続いて第3位は、ペンタックスのK-3 IIIです。


ペンタックスにおけるAPS-Cサイズのフラッグシップ機となるPENTAX K-3 Mark III

先程お伝えしました様に、ペンタックスの場合他社と異なり(減感あるいは増感でISO感度を分類する事なく)全てを常用ISO感度として扱っています。


PENTAX K-3 Mark III

本機の画素数は2600万画素と、次に登場するソニーのα6000シリーズの2400万画素より高画素になります。

ただしペンタックスの場合、アクセレータユニットと呼ばれるノイズ処理専用のASICを搭載して、高感度時のノイズを積極的に減らしています。

また作例写真等を見ると、ISO6400程度まで実用範囲である事から、本機の最大有効ISO感度はISO51,200としておきたいと思います。


第4位:SONY α6600(最大常用ISO感度32,000)


第4位は、ソニーの第2世代のα6000シリーズ(α6600/α6400/α6100)です。


自撮り可能モニターを搭載した第2世代のα6400

第2世代のα6000シリーズは、すべて同じ2400万画素の裏面照射型撮像素子と画像処理エンジンを搭載しており、最大常用ISO感度はいずれもISO32,000です。


α6600

α6400

α6100
第2世代のα6000シリーズ

ちなみに、この後に登場する同じ2400万画素の撮像素子を搭載した第1世代のα6000シリーズ(α6500/α6300/α6000)の最大常用ISO感度は25,600でしたので、第2世代で画像処理エンジンが新しくなった事によりノイズが減り、最大常用ISO感度をアップしたのでしょう。


第5位:ペタックスK-70(最大常用ISO感度25,600)


続いて第5位は、ペンタックスのK-70です。


PENTAX K-70

本機もK-3 IIIと同様にアクセレータユニットを搭載し、画素数は2424万画素とK-3 IIIより僅かに低画素な事もあり、恐らく最大常用ISO感度は25,600前後と推測して第5位にさせて頂きました。


第6位:SONY α6500(最大常用ISO感度25,600)


第6位は、ソニーの第1世代のα6000シリーズ(α6500/α6300/α6000)です。


α6500

α6300

α6000
第1世代のα6000シリーズ

先程お伝えしました様に1世代の前のα6000シリーズの最大常用ISO感度は25,600で、第6位になります。

第7位:キヤノン(最大有効ISO感度25,600)


第7位は、キヤノンの2400万画素の撮像素子を搭載した一世代前のAPS-Cサイズ機です。


EOS Kiss M II(2,400万画素)とEOS Kiss X9i(2,400万画素)

具体的には、一眼レフのEOS 9000DEOS Kiss X9i、ミラーレスカメラのEOS Kiss M II等で、最大常用ISO感度は25,600になります。

さて、そう言うと何故ソニーの第1世代のα6000シリーズより下位なのだ、と思われるキヤノンファンも多くいらっしゃる事でしょう。

それには理由が二つあって、一つにはソニーのAPS-Cサイズ機は1画素が大きくなる裏面照射型撮像素子を採用している事と、キヤノンのAPS-Cサイズ機は一般的なAPS-Cサイズより僅かに(正確には11%)小さいからです。


キヤノンのAPS-Cサイズは他社より11%小さい

キヤノンのAPS-Cサイズ機はコスト的には他社機より1割有利なれど、高感度特性では1割不利と言えます。


第8位:キヤノンEOS M6 II(最大有効ISO感度25,600)


続いて第8位は、キヤノンの最新の撮像素子を搭載したEOS M6 II(及びEOS 90D)です。

 
2019/9に発売されたEOS M6 Mark II

本機はAPS-Cサイズ機ながらとうとう3200万画素にまで増えましたが、それでも2400万画素機と同じ25,600を達成したのは立派と言えるかもしれません。

この3200万画素をフルサイズ機に換算すると、何と8000万画素にもなるのです。


第9位:OMD E-M1X(最大常用ISO感度25,600)


第9位は、2000万画素の撮像素子を搭載したオリンパス機です。


オリンパスのOMD E-M1XとOMD E-M1 II(いずれも2000万画素)

チャートにはOMD E-M1Xしか載せていませんが、同じ2000万画素の撮像素子を搭載したOM-D E-M1 Mark III、OM-D E-M5 Mark IIIも同じ仲間です。

オリンパスのノイズ除去に力を入れているのと、(高感度と全く関係ありませんが)減感でISO60まで落とせる事から、第9位にさせて頂きました。


第10位:OMD E-M10 & LUMIX GF9(最大常用ISO感度25,600)


続いて第10位は、OMデジタルソリューションズのOMD E-M10 IIIとパナソニックのLUMIX GF9です。

両機とも4/3サイズの1,600万画素の撮像素子搭載していますので、高感度特性はほぼ同じと思って間違い無いでしょう。


一眼レフスタイルの入門機であるOMD E-M10 III(1600万画素)


入門機であるLUMIX GF9(1600万画素)

なおOMデジタルソリューションズのPENシリーズも同じ撮像素子を搭載していますので、高感度特性は同じです。


第11位:X-S10(最大常用ISO感度12,800)


番外の11位なのですが、最後にフジフィルムのX-S10(X-Pro3、X-T4、X-T3等)を上げておきます。


他社機に似た操作系を採用したフジフィルムのX-S10

ご存知の様にフジフィルムは同じ撮像素子と同じ作像エンジンを使って数種類のカメラを発売しています。

それはともかく既にお伝えしました様に、本機はAPS-Cサイズ機でありながらマイクロ4/3より最大常用ISO感度が低くなっています。

いつかその謎を解き明かしたのですが、今回はここまでにしたいと思います。

少しはお役に立ちましたでしょうか。




2021年度版:暗闇に強い小サイズ高感度カメラベスト10






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