星空と人物撮影に最適なカメラはどれか?
(星空ポートレートに最適なクロップ撮影)

2020/03/25:発行
2020/04/06:更新

目次


  1. はじめに
  2. クロップ撮影機能
  3. 星空ポートレートに必要な性能
  4. なぜクロップ撮影だと星空ポートレートに有利なのか
  5. クロップ撮影に必要なレンズ
  6. 星空ポートレートに有利なカメラは画素数だけで決まる
  7. 星空を背景にした人物撮影に最適なカメラ
  8. 第1位:SONY α7S(APS-Cサイズクロップ)
  9. 第2位:Lumix DC-GH5S
  10. 第3位:EOS RP(APS-Cサイズクロップ)
  11. 第4位:Nikon Z6(APS-Cサイズクロップ)
  12. まとめ

はじめに


最近星空を背景にした人物撮影が流行の様です。

実際ネットで”星空と人物”で検索すると、多数の写真が表示されます。


Canon PowerShot G1 X Mark III (F2.8 15秒 ISO3200)

ところが実際に撮ってみると、予想外に難しい事に気付きます。

それもそのはずです。

なにしろ、星だけの写真でしたらなるべく高感度のカメラと明るいレンズを使って星だけにピントを合わせば良いのですが、星空と人物となると∞遠の星と数メートル先の人物の両方にピントを合わせる必要があるため、絞りを絞って被写界深度を深くしなければいけないからです。

そうなると、絞りを絞った分シャッタースピードを遅くしなければならず、するとストロボを使ったとしても人物が僅かな光を受けて露光中にブレてしまいます。

という事は、高感度で且つ被写界深度の深いカメラがあれば理想的と言えます。

これについて調べた所、現状一番星空と人物の撮影に適したカメラは、マイクロ4/3で画素数1000万画素の撮像素子を搭載したLumix GH5Sが最高峰になります。(詳細はこちら

 
プロ用動画機能を搭載した高感度モデルLumix DC-GH5S

しかしながら、実はそれよりも更に星空と人物の撮影に向いたカメラが存在すのです。

それは一体何か、本邦初公開というより、恐らくW/W(ワールドワイド)でも初公開だと思いますので、得とご覧あれ。


クロップ撮影機能


それでは早速のその方法をお知らせしましょう。

既に表題からお気付きの方もいらっしゃるでしょうが、デジカメのクロップ撮影機能を使うのです。

クロップ撮影とは、撮像素子の中央部分を切り出して使う事です。


クロップ撮影機能とは、撮像素子の中央部分を抜き出して使う事

こうすれば、星空ポートレートに最適なカメラに変身するのです。


星空ポートレートに必要な性能


それではなぜクロップ撮影だと、星空ポートレートに有利なのかについてご説明したいと思いますが、その前に星空ポートレートで重要な二つの性能について、もう一度整理しましょう。

既にお伝えしました様に星空と人物の撮影において重要なのは、感度が高い事被写界深度が深い事です。

先ず感度については、撮像素子が大きくて、画素数が少ないほど有利になります。

何故ならば、1画素のサイズが大きくなり、その分短時間で多くの光を取り込めるからです。

次は被写界深度です。

良く知られているのは、広角レンズを使ったり、絞りを絞れば良いと思われるでしょうが、殆ど知られていないもう一つ方法があるのです。

それは、撮像素子の小さなカメラを使う事です。

その理由は、もし撮影する画角を同じにしたとすると、撮像素子の小さなカメラは、レンズの焦点距離を短くしなければならないため、必然的に被写界深度が深くなるからです。

スマホで撮ると、近場から遠方までピントが合うのはこのためです。

もう少し詳しく説明すると、フルサイズとコンパクトカメラ(1/2.3型撮像素子)を比べると、下の表にあります様に同じ露出設定でありながら、絞りで4.9段も被写界深度が深くなるのです。

サイズ FULL APS-C APS-C
(Canon)
4/3 1型 1/1.7型 1/2.3型
段数 0 1.2 1.4 2.0 2.9 4.4 4.9
フルサイズを基準とした同じ被写界深度となる絞りの段数

例えばスマホとフルサイズのカメラを使って、絞りF2.8で撮ったとすると、スマホはフルサイズのカメラで絞りF16で撮ったのと同じくらい被写界深度は深くなるのです。

そしてこれは、画素数には一切関係なく、撮像素子の大きさだけで決まるのです。


なぜクロップ撮影だと星空ポートレートに有利なのか


前置きが長くなりましたが、ではなぜクロップ撮影すると、星空ポートレートに有利になるのでしょうか。

それは、例えばフルサイズからAPS-Cサイズにクロップすると画素数は40%ほど低下するものの、1画素の大きさは変わらないので、感度は変わらないままです。

種類\クロップ フルサイズ APS-Cサイズ
一般的な
APS-C
1200万画素 510万画素
2400万画素 1000万画素
4800万画素 2000万画素
キヤノンの
APS-C
2600万画素 1000万画素
3200万画素 1200万画素

一方被写界深度は、フルサイズからAPS-Cサイズにクロップする事で、先ほどの表にあります様に1.2段深くなるからです。

すなわちフルサイズをAPS-Cサイズにクロップする事によって、露出設定は変わらずに、被写界深度だけ1.2段も深くできるのですから、これはかなり美味しい話ではないでしょうか。


クロップ撮影に必要なレンズ


ただしクロップ機能を使うと、望遠レンズを使った様に画角が狭くなるので、クロップ前と画角を同じに保ためには、更に広角のフルサイズ用レンズを用意するか、クロップ用のAPS-Cサイズ対応のレンズが必要になります。

ではどれくらい広角のレンズが必要なのでしょうか?

これは簡単で、ソニーやニコンが採用している一般的なAPS-Cサイズの場合でしたら、フルサイズ用レンズの0.65倍、キヤノンのAPS-Cサイズならば0.62倍すれば求められます。


キヤノンのフルサイズとAPS-Cサイズの画角の違い

具体的には、元が24mmの広角レンズの場合、一般的なAPS-Cサイズなら16mm、キヤノンの場合なら15mmのレンズが必要になります。


星空ポートレートに有利なカメラは画素数だけで決まる


長々とややこし話をさせて頂きましたが、最後に更に取って置きの話もしておきましょう。

恐らくこの話をしているのは、世界中探しても本サイトだけだと思いますので、じっくり読んで頂ければと思います。

先ほどお伝えしました様に、星空ポートレートで重要なのは、感度が高い事と被写界深度が深い事です。

そして、感度については①撮像素子が大きくて、②画素数が少ないほど有利になり、被写界深度については、③撮像素子が小さいほど有利になります。

これらは全て比例関係が成り立ちますので、この場合①と③が打ち消し合い、③だけが残るのです。

すなわち、感度が高くて被写界深度の深いカメラとは、(撮像素子の大きさに一切関係せず)画素数の少ないカメラになるのです。

かなり興味深い話ではないでしょうか。

そうは言っても、まだ疑っている方もいらっしゃると思いますので、その理論的な証拠を数値を基にご紹介します。


星空を背景にした人物撮影に最適なカメラ


下が星空ポートレートに最適なカメラを、数値を基にして順位付けした表です。

この表は、撮像素子や画素数の異なるカメラを1200万画素のフルサイズ機に比べて、どれくらい感度が低くて、どれくらい被写界深度が深いかを計算で求め、その段数の和でソートした結果になります。

順位 代表
機種
サイズ 画素数
(万画素)
被写界
深度
段数
感度
段数
段数
の和
許容
ISO感度
1位 SONY α7S APS-C
クロップ
510 1.2 0.0 1.2 6417
2位 GH5S Micro4/3 1000 2.0 -1.7 0.3 1999
3位 EOS RP
EOS 6D II
©APS-C
クロップ
1000 1.4 -1.1 0.3 2921
4位 Nikon Z6
SONY α7 III
APS-C
クロップ
1000 1.2 -1.0 0.2 3273

コンデジ
スマホ

長時間露出
に対応して
いないため
割愛
1/1.7型 1200 4.4 -4.3 0.1 321
1/2.3型 1200 4.9 -4.9 0.1 219
1/3型 1200 5.7 -5.6 0.1 128
1/3.2型 1200 6.0 -5.9 0.1 108
1/3.6型 1200 6.2 -6.2 0.1 89
1/4.6型 1200 7.0 -6.9 0.1 53
5位 SONY α7S Full 1200 0.0 0.0 0.0 6400
6位 EOS R
EOS 5D IV
©APS-C
クロップ
1200 1.4 -1.4 0.0 2434
7位 E-M10 Micro4/3 1600 2.0 -2.4 -0.4 1249
8位 DC-G9 Micro4/3 2000 2.0 -2.7 -0.7 1000
9位 Nikon D6 Full 2000 0.0 -0.7 -0.7 3840
10位 SONY RX100 1型 2000 2.9 -3.6 -0.7 516
11位 Nikon Z7
SONY α7R
APS-C
クロップ
2000 1.2 -2.0 -0.7 1636
12位 EOS Kiss M ©APS-C 2400 1.4 -2.4 -1.0 1217
13位 SONY α7 III Full 2400 0.0 -1.0 -1.0 3200
14位 Nikon Z50 APS-C 2400 1.2 -2.2 -1.0 1364
15位 EOS RP Full 2600 0.0 -1.1 -1.1 2954
16位 Fuji X-T3 APS-C 2600 1.2 -2.3 -1.1 1259
17位 EOS R Full 3200 0.0 -1.4 -1.4 2400
18位 Nikon Z7 Full 4800 0.0 -2.0 -2.0 1600
1200万画素のフルサイズを基準にした感度と被写界深度の度数

もう少しご説明しますと、この表の”被写界深度の段数”が、1200万画素のフルサイズを基準にした被写界深度の深さを表しており、この値が大きい程同じ露出設定でも被写界深度は深くなります。

なおここで言う1段とは、絞りやシャッタースピードを上げ下げする際に使う1段(1EV)を指しています。

次に”感度の段数”とは、同じく1200万画素のフルサイズを基準にした感度の高さを表しており、この値が大きい程高感度になります。

なお理論上1200万画素のフルサイズが現状一番高感度なので、最大はゼロで、他はどれもマイナスの値になっています。

次の段数の和とは、この”被写界深度の段数”と”感度の段数”の和になりますので、これが大きいほど被写界度が深くて高感度なカメラと言えます。

すると、この表をご覧頂きます様に、結果として画素数の少ない順になっているのを分かって頂けると思います。(もしさらなる詳細が知りたければこちらへ)

これで、先ほどお伝えしました感度が高くて被写界深度の深いカメラとは、(撮像素子の大きさに一切関係せず)画素数の少ないカメラになる、と言うのをご納得頂けましたでしょうか。

なお1/1.7型以下の小さな撮像素子の段数の和が0.1で、1200万画素のフルサイズの段数の和が0と、多少良い値になっているのは、縦横比の違いによる計算上の誤差で、実質的には同じと思って頂ければと思います。

また、注目して頂きたいのは、APS-Cのクロップ(赤い網点)が一気にトップグループに躍り出てきている事です。

それではこの表を元に、上位のカメラから順に見ていきたいと思います。


第1位:SONY α7S(APS-Cサイズクロップ)


2位を1段以上引き離して堂々の1位は、元々高感度なフルサイズ1200万画素をAPS-Cサイズにクロップした場合です。

これに該当するカメラは、ソニーの初代α7Sもしくは第2世代のα7S IIになります。

この場合、もし画角をフルサイズの24mmと同じにするとしたら、以下の様に廉価なAPS-Cサイズ用の単焦点レンズであるE16mm F2.8があります。


 
α7S
 

 
α7S II
 

 
E16mm F2.8
 

ウルトラワイド
コンバーター
VCL-ECU2

フィッシュアイ
コンバーター
VCL-ECF2

おまけにこのレンズ用に、純正のウルトラワイドコンバーターとフィッシュアイコンバーターまでありますので、恐らくこれが星空を背景にした人物撮影にとって最強の組み合わせと言って良いでしょう。

何しろ元々高感度な上に、クロップする事で1.2段も被写界深度が深くなり、その気になれば開放F値を低下させる事なく超広角や魚眼で撮れるのですから。

と言っても余りピントこないかもしれませんので、もう少し解説しておきましょう。

例えば、α7S II(クロップ無し)に24mmレンズを付けて、ISO12800/F5.6/15秒で星空を背景にした人物撮影をしたとします。

次にα7S IIのクロップ有りで、同じ画角になる16mmレンズを付けて、同じくISO12800/F5.6/15秒で星空を背景にした人物撮影をしたとします。

これだけ聞くと何の変化もない様に思いますが、実はこの16mmレンズに換えた事で、画角も絞りも同じでありながら被写界深度は1.2段も深くなっているのです。

では1.2段とは、どれくらい被写界深度が変わるのでしょう。

それを示したのが、以下の表になります。

項目\カメラ
α7S II
Full
α7S II
APS-C
クロップ
α7S II
Full
α7S II
APS-C
クロップ
レンズ 24mm 16mm 24mm 16mm
露出設定 ISO12800
F4
15秒
ISO12800
F4
15秒
ISO12800
F6.1
35秒
ISO12800
F2.8
8秒
設定距離 2m 2m 2m 2m
被写界深度 1.4~3.4m 1.2~5.5m 1.2~5.5m 1.4~3.6m
パンフォーカス 5m 3.4m 3.3m 4.8m
被写界深度 2.5m~∞ 1.7m~∞ 1.7m~∞ 2.4m~∞
α7Sでクロップ撮影した場合の被写界深度

これを左から順に説明していきます。

①先ずフルサイズのカメラに24mmのレンズを付けて絞りF4で設定距離2mにして撮ると、被写界深度は1.4~3.4mになります。

またパンフォーカス(∞遠にピントが合ってから被写界深度を最大限深くする方法)で撮影する場合、撮影距離を5mに設定すれば、被写界深度は2.5m~∞までになります。

②それに対して、APS-Cサイズにクロップして16mmレンズで撮ると、被写界深度は1.2~5.5mに深くなるのです。

またパンフォーカスで撮影する場合、撮影距離を3.4mに設定すれば、被写界深度は1.7m~∞になるのです。

1.7m~∞までピントが合うのですから、これでしたら被写体がどこにいようと、殆ど気にする事なく撮れてしまいます。

ついでに言えば、露出もマニュアルで固定できますので、あとはストロボの光量だけ調整すれば良い訳です。

③次にフルサイズでクロップと同じ被写界深度にするためには、絞りを1.2段絞ったF6.1にしなければならず、それに伴ってシャッタースピードを1.2段(2.3倍)長くして70秒にする必要があるのです。

④クロップした状態で、もし被写界深度がそれほど深くなくて良ければ、絞りを1段開けてF2.8にし、シャッタースピードを半分の8秒にすればブレも大幅に防ぐ事ができるのです。

またパンフォーカスで撮影するとしたら、撮影距離を4.8mに設定すれば、被写界深度は2.4m~∞まで深くなります。

これで、クロップするというのは、同じ画角で深い被写界深度で撮りたい場合に、非常に有効な手段である事を分かって頂いたと思います。


第2位:Lumix DC-GH5S


第2位は、既にお伝えしておりますLumixのDC-GH5Sです。

本機は、元々1000万画素と少な目で、撮像素子も4/3サイズとAPS-Cサイズより更に小さいので、クロップする事もなく高感度で被写界深度の深い写真が撮れます。

とは言え、本機は動画を強く意識したモデルで、少々値段がお高いのが悩み処です。

被写界深度をまとめると以下の様になります。

項目\カメラ DC-GH5S
4/3サイズ
DC-GH5S
4/3サイズ
レンズ 16mm 16mm
露出設定 ISO4000
F4
48秒
ISO4000
F2.8
24秒
設定距離 2m 2m
被写界深度 1.1~10m 1.3~4.5m
パンフォーカス 2.5m 3.6m
被写界深度 1.2m~∞ 1.8m~∞
DC-GH5Sで撮影した場合の被写界深度


第3位:EOS RP(APS-Cサイズクロップ)


続いて第3位は、キヤノンのEOS RP(2600万画素)のAPS-Cサイズクロップです。

となると、ソニーの様に手ごろなAPS-Cサイズのレンズが無いと思われませんでしょうか。

確かにキヤノンのフルサイズのミラーレス一眼には、APS-Cサイズ用のEP-Sレンズは(マウントは共通ながら)装着できませんし、ミラーレス一眼のRFマウントとAPS-Cサイズ用のEF-Mレンズは形状も大きさも異なるマウントを採用しています。


フルサイズのRFマウントとAPS-CサイズのEF-Mマウントは互換性がない

ところが、(マウントアダプターが必要なのですが)下のチャートにあります様にフルサイズのEOS Rシリーズには、APS-Cサイズの一眼レフ用であるEF-Sレンズが使えるのです。


キヤノンのレンズ互換性チャート(青線が互換性有り、赤線が互換性無し)

と言っても、EF-Sレンズにはソニーの様な広角の単焦点レンズが無いため、以下のズームレンズを使うしかありません。



EOS RP

EF-S10-22mm
F3.5-4.5 USM

EF-S10-18mm
F4.5-5.6 IS STM

その組み合わせで被写界深度を計算すると、以下の様になります。(ただしクロップのF2.8は使えないので参考値と扱って下さい)

項目\カメラ
EOS RP
Full
EOS RP
APS-C
クロップ
EOS RP
Full
EOS RP
APS-C
クロップ
レンズ 24mm 15mm 24mm 15mm
露出設定 ISO4800
F4
40秒
ISO4800
F4
40秒
ISO4800
F6.5
104秒
ISO4800
F2.8
20秒
設定距離 2m 2m 2m 2m
被写界深度 1.4~3.4m 1.2~6m 1.2~6m 1.4~3.8m
パンフォーカス 5m 3.1m 3.1m 4.4m
被写界深度 2.5m~∞ 1.6m~∞ 1.5m~∞ 2.2m~∞
EOS RPでクロップ撮影した場合の被写界深度

先ほどのフルサイズ1200万画素と比べると、感度は3/8(38%)に低下しますのでISO感度は4800になり、そうなるとシャッタースピードが8/3倍の40秒にも長くなってしまいます。

ただし後述する2400万画素フルサイズのAPS-Cサイズクロップと比べると、感度で0.1段劣っているものの、(キヤノンのAPS-Cサイズは標準のAPS-Cサイズより僅かに小さいため)被写界深度は0.2段優れており、理論的にはこちらの方がトータルで0.1段優れている事になります。

すなわち、画質はフルサイズ2400万画素より0.1段劣るものの、被写界深度は0.2段分深くなるという訳です。

またEOS RPのクロップ無しと比べると、同じ絞り値でありながら、1.4段も絞ったのと同じ被写界深度を得られるのです。

ちなみに、APS-Cサイズのカメラに15mmレンズを装着しても同じ被写界深度になりますが、その場合は感度が(2400万画素で1段、200万画素で0.7段)劣りますので、やはりフルサイズをクロップした方が有利になります。


EOS Kiss Mでも同じ被写界深度になるが、EOS RPより感度が1段劣る


第4位:Nikon Z6(APS-Cサイズクロップ)


続く第4位は、フルサイズ2400万画素のAPS-Cサイズのクロップです。

フルサイズ2400万画素のカメラはいくつかあるのですが、ここでは専用のAPS-CサイズのレンズがあるNikon Z6をご紹介したいと思います。



Nikon Z6

NIKKOR Z DX
16-50mm f/3.5-6.3 VR

ただし現状では、標準ズームの24mm相当しかないので、それを使ったとしたら被写界深度は以下の様になります。(ただしクロップのF2.8は使えないので参考値と扱って下さい)

項目\カメラ
Nikon Z6
Full
Nikon Z6
APS-C
クロップ
Nikon Z6
Full
Nikon Z6
APS-C
クロップ
レンズ 24mm 16mm 24mm 16mm
露出設定 ISO6400
F4
30秒
ISO6400
F4
30秒
ISO6400
F6.1
70秒
ISO6400
F2.8
8秒
設定距離 2m 2m 2m 2m
被写界深度 1.4~3.4m 1.2~5.5m 1.2~5.5m 1.4~3.6m
パンフォーカス 5m 3.4m 3.3m 4.8m
被写界深度 2.5m~∞ 1.7m~∞ 1.7m~∞ 2.4m~∞

ご覧の通り、フルサイズ1200万画素のAPS-Cサイズのクロップに対して、ISO感度が半分になり、シャッタースピードが30秒に延びますが、それ以外は全くと同じです。

という事は、前段の1200万画素機と比べて1段だけ感度が低下したという訳です。

またNikon Z6のクロップ無しと比べると、(感度も変わらず)同じ絞り値でありながら、1.2段も絞ったのと同じ被写界深度を得られるのです。

そう言うと、APS-Cサイズのカメラ(例えばNikon Z50)に16mmレンズを装着しても同じだと思われるかもしれません。

 
APS-CサイズのNikon Z50は、Z6より1.2段被写界深度が深くなるが、1段感度が劣る

確かに被写界深度はクロップしたのと同じになるのですが、この場合フルサイズより感度が1段劣りますので、やはりフルサイズをクロップした方が有利になります。


まとめ


それではまとめです。

①星空を背景にした人物撮影においては、感度が高く被写界深度を深く撮れるカメラが有利と言える。

②この場合、撮像素子の大きさに一切関係せず、画素数の少ないカメラが有利になる。

③この理由から星空を背景にした人物撮影においては、クロップ撮影が有効である。

④この観点から市販のカメラを見ると、以下の順番で有利になる。

順位 機種 ISO感度 絞り SS 24mm相当時における
パンフォーカスの
被写界深度
1位 α7S
クロップ
12800 F4 15秒 1.7m~∞
2位 DC-GH5S 4000 F4 48秒 1.2m~∞
3位 EOS RP
クロップ
4800 F4 40秒 1.6m~∞
4位 Nikon Z6 6400 F4 30秒 1.7m~∞
星空ポートレートに適したカメラベスト4

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(星空ポートレートに最適なクロップ撮影)





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